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SIMPLE2500シリーズ Portable!! プレイステーション・ポータブル(全13作+3作) 下記シリーズを除くSIMPLEシリーズ全般 → SIMPLEシリーズ 『SIMPLE1500シリーズ』『同・実用』『同・ハローキティ』→ SIMPLE1500シリーズ 『SIMPLE2000シリーズ』『同・2in1』『同・Ultimate!!』『同・ハローキティ』→ SIMPLE2000シリーズ 『SIMPLE DSシリーズ』『@SIMPLE DSシリーズ』→ SIMPLE DSシリーズ 『SIMPLE2500シリーズ Portable!!』『SIMPLE2000シリーズ Portable!!』→ SIMPLE2500シリーズ Portable!! 『@SIMPLE DLシリーズ』『SIMPLEシリーズ for ニンテンドー3DS』→ @SIMPLE DLシリーズ プレイステーション・ポータブル(全13作+3作) タイトル 概要 判定 SIMPLE2500シリーズ Portable!! SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.1 THE テーブルゲーム SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.2 THE テニス SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.3 THE どこでも推理 IT探偵 全68の事件簿 『THE 推理』シリーズ決定版。シリーズ1~3再録+10シナリオの大ボリューム。 良 SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.4 児玉光雄先生監修 THE 右脳ドリル 問題は普通のIQテストで無難だが、ゲーム化は雑。問題集として買うべきだ。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.5 THE ブロックくずしクエスト ~Dragon Kingdom~ ブロックくずしの超進化形!…は、ちょっと言い過ぎ。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.6 THE 戦車 SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.7 THE どこでも漢字クイズ チャレンジ!漢字検定2006 漢検ゲーの先祖の移植。問題数以外に評価点は少ない。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.8 THE どこでもギャル麻雀 『ラブ★マージャン!2』の移植。双葉理保の新曲付き。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.9 THE マイ・タクシー THE タクシーの移植。タクシーの外観を痛車・族車・ブルドーザーに改造可。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.10 THE IQ CUBE ~モヤっと頭をパズルでスッキリ!~ パズルアクション。地味だが立体ゆえの特徴がありまあまあの出来。 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.11 THE パズルクエスト ~アガリアの騎士~ 海外ゲームのローカライズ。ズーキーパーのパクリ扱いしてはいけない佳作。 良 SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.12 THE 歩兵2 ~戦友よ、先に逝け~ 『THE 歩兵』の続編。「この程度の作り込みではまだ良作にはなれんぞ!」 なし SIMPLE2500シリーズ Portable!! Vol.13 THE 悪魔ハンターズ ヱクソシスター とっつきが悪く全体ではキツい出来だが、慣れればそこそこ爽快アクション。 なし SIMPLE2000シリーズ Portable!! SIMPLE2000シリーズ Portable!! Vol.1 THE 麻雀 SIMPLE2000シリーズ Portable!! Vol.2 THE 将棋 SIMPLE2000シリーズ Portable!! Vol.3 THE ホントに頭を使うアクション ~デッドヘッドフレッド~ 『デッドヘッドフレッド ~首なし探偵の悪夢~』の廉価版。雑さも見えるが、2000円なら十分楽しめる爽快感と悪趣味。 なし
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バトルギア4 【ばとるぎあふぉー】 ジャンル レースゲーム スタンダード筐体プロフェッショナル筐体 対応機種 アーケード 使用基板 Taito Type X+ 発売・開発元 タイトー 稼働開始日 無印 2005年6月20日 Tuned 2006年11月28日 サービス終了日 共通 2019年3月31日23時59分 1プレイ 100~200円ネットエントリーキー標準価格500円時間貸しフリープレイ標準対応 判定 無印 シリーズファンから不評 ゲームバランスが不安定 Tuned スルメゲー ポイント 黒歴史扱いされた無印時代Tunedでの充実したシステムシリーズ史上初のチューニングシステムアーケード屈指のリアルレースゲーム タイトー最後の自社開発レースゲーム(*1)これまで以上に猛威を振う補正の数々異例のオンラインサービス継続期間 備考 プロフェッショナル筐体は Tuned 限定 バトルギアシリーズ 概要 筐体説明 モード説明 収録車種 コース 評価点 賛否両論点 問題点 総評 その後 オンラインサービス稼動時の詳細 概要 『バトルギアシリーズ』最終進化系を銘打った最終作。 無印の頃は挙動等を含め前作『バトルギア3』とは別物と感じられる位に難しく、取っ付き難かった事もあり、致命的なユーザー離れを引き起こしてしまう。 アップデート版である『 Tuned 』でゲームシステムを見直し巻き返しを図るも、時既に遅し。失った栄光を取り戻すことは叶わなかった。 しかし今まで以上に本格的になったゲーム内容等は、結果的に時を経て熱心なファンを獲得する事となり、オンラインサービスが終了した現在でも少数ながらも根強い人気を有している。 筐体説明 どちらも前作の筐体をベースにシングル筐体化・チューニングカー風のロールケージをあしらったデザインとなった。 装備類は従来のスタート兼ライト、視点切り替え、ハザードのボタン3つとサイドブレーキに加え、オーバーテイクスイッチ、TXSURROUND(5.1chサラウンドシステム)が両筐体に追加された。 スタンダード筐体 赤基調の筐体色とロールバー以外、前作の筐体と殆ど同じ外見。無印はこの筐体のみで稼働しており、現在は無印からDVDとドングル交換で Tuned へコンバージョンした物が殆ど。 プロフェッショナル筐体との差異はモニターが「800×600ピクセル 29インチ CRT」、大型フロントスピーカー無し、アップダウン式シフトレバー、キーベンダーがモニター右横にある点。 既に末期を迎えつつあったブラウン管モニターを使用している影響か、稼働から10年以上が経過しブラウン管モニターも絶版となった現在ではプロフェッショナル筐体以上に残存数が少ない。これはSD筐体のCRTモニターは使用基板の映像出力に対応した特殊な専用品で他機種からのブラウン管モニター移植が不可能な為である。その為現在国内で現役稼働しているSD筐体は液晶モニターに換装されている個体が殆どである。 プロフェッショナル筐体 ※Tunedのみ Tuned 稼動開始時に海外市場前提に生産された数量限定筐体。その為日本国内よりも海外での稼動数が非常に多かった点も特徴。スタンダード筐体よりも一回りほど大きくなっている。 6速Hゲートシフトとクラッチ、大型フロントスピーカーが追加されており、より本格的な運転を楽しむ事が可能となっている。 シフトレバーは設定に合わせてミッション機構が自動で切り替わる便利設計であり、まさしくプロフェッショナルである。 モニターも「1360×768ピクセル 32インチワイド液晶」に変わっており、スタンダード筐体より画質が良くなっている。またキーベンダーがコイン返却口右横に変更されている。 上述の通り日本では希少な存在ではあるが、液晶ディスプレイに変更された影響で故障時のモニターの換装が容易な為なのか、サービス終了後の現在も日本国内で現役稼働しているのは意外にもこの筐体が多い。ゆえにオンラインサービスが終了した現在では輸出したPro筐体を日本国内へ逆輸入して稼働させるケースも盛んに行われている。 モード説明 レースモード 最大5台のCPUカーとレースをするモード。コースによって最大同時走行数は違う。 COM Lv.は標準では10まで選択可能。Lv.10を1位で完走したコースのみでLv.11を選択する事が出来、Lv.11をクリアすると、Lv.12、13…と続いて選択可能になる。 1位を取ると「レーシングスキル」が上がり、それに応じてレベルが上がり、対応した称号を獲得する事が可能。例えばLv.10を1位で完走すれば、いきなりその分レベルと称号が上昇する。 称号はレベルが上がれば自動的に付け替えられる。…とは言っても「称号名+(数字)」といった具合だが。 ワンメイクレース 同一車種のみとのレース。後はレースモードと一緒。 タイムアタック タイムを競うモード。前作同様の優秀設計で、エントリーキーを使用すると細かな条件下でゴーストカーを検索、出現させることが可能だった。 Tuned ではドリフトモードにおいても同様の機能が使用可能。 ドリフトモード ※Tunedのみ 「速さでは無くドリフトのカッコ良さ」を競うモード。タイムや順位は一切無視され、ドリフトした時に貯まる「ドリフトポイント」の数を競う。 選択出来るコースは一部に限られており、「中級A、B、C」「超上級A、D」「弩級B」が選択可能。 画面内に「ACTION!」が表示された所から評価ライン上かその付近に該当する箇所でドリフトすれば溜まる。 ドリフト状態を維持しつつドリフトアングルを深く付け、スピードを速く出し、評価ラインに近づけば近づくほど溜まり易くなる。「評価ラインに近づけば近づくほど」と言うポイントが重要であり、どんなにカッコ良くドリフトしてもこのラインから逸脱すれば一切のポイントが貯まらなくなるので注意。 収録車種 収録車種数は無印で計30車種が収録。 Tuned で23車種が追加され、計53車種収録されている。なかには、シビック(EG6)のような、前身作『サイドバイサイド2』以来9年ぶりの復活となった車種も。 今作で日本国外の車種が初収録された。但し前作から削除・マイナーチェンジされた車種もある。 チューニング・セッティングされた車や特別仕様車は何れもSクラスとなる。 以下クラス表記の文字、背景色はゲーム中に準拠して表記。 S クラス 前作の漫画パロディ車は排除され、今作ではチューニングカー用のクラスとなった。実在するチューンド車である特別仕様車はこちらのクラスで扱われる。 特別仕様車に関してはドレスアップ・チューニングは不可能である。 A クラス 高出力スポーツカークラス。新車時点で280馬力制限で販売されている車種。 B クラス 中出力スポーツカークラス。出力が200馬力超の車種。 C クラス ライトウェイトスポーツカークラス。150馬力前後の車種。性能バランスが丁度良く、意外と初心者向けかもしれない。 D クラス コンパクトカークラス。出力が約100馬力弱と低い為、グリップ走行が基本となる。故にドリフトはほぼ不可能で、それ目的ではお勧め出来ない。 フィット・コルトはATでCVT(無段変速)を使用可能。継ぎ目無く加速できるが、エンジンブレーキ(*2)や回転数合わせの効果が薄い欠点がある。 + 収録車種一覧 メーカー 車種 初出 備考 特別仕様車 全9車種 トヨタ アルテッツァ TRD仕様(SXE10) Tuned 日産 スカイラインGT-R NISMO GT-R LM仕様(BCNR33) ギアボックスが5MT-FRに変更 スカイラインGT-R V-specII NISMO仕様(BNR34) 4 フェアレディZ NISMO仕様(Z33) フェアレディZ ORC仕様(Z33) Tuned D1グランプリ出場車エンジンがRB26DETTに変更 スバル インプレッサ SpecC STi仕様(GDB) 三菱 ランサーエボリューションIX RALLYART仕様(CT9A) マツダ RX-7 Type RS A PEXi仕様(FD3S) 4 D1グランプリ出場車 Aクラス 全16車種 日産 フェアレディZ Version ST(Z33) 4 前期型 スカイラインGT-R(BNR32) Tuned 後期型 スカイラインGT-R V-spec(BCNR33) スカイラインGT-R V-spec II(BNR34) 4 スバル インプレッサ WRX STi spec C(GDB) 4 中期型 インプレッサ WRX STi [ 06](GDB) Tuned 後期型 インプレッサ WRX タイプR STi version VI(GC8) 2ドア仕様 レガシィB4 2.0GT spec.B(BL5) 4 前期型 三菱 ランサーエボリューション IX(CT9A) 4 何れもグレードは「GSR」 ランサーエボリューション IX MR(CT9A) Tuned ランサーエボリューション III(CE9A) ランサーエボリューション IV (CN9A) ホンダ NSX タイプS(NA2) 4 後期型 NSX タイプR(NA2) Tuned マツダ RX-7 タイプRS(FD3S) 4 6型 トヨタ スープラ RZ(JZA80) 4 後期型 Bクラス 全17車種 日産 180SX タイプX(RPS13) Tuned 中期型 シルビア K s(S13) 前期型 シルビア spec-R エアロ(S15) 4 三菱 FTO GP Version R(DE3A) Tuned 後期型 ホンダ アコード ユーロR(CL7) 4 前期型 インテグラ タイプR(DC2) Tuned 後期型 インテグラ タイプR(DC5) 4 S2000(AP1) マツダ アテンザ 23Z(GG3S) 4 前期型 RX-8 タイプS(SE3P) 中期型 サバンナRX-7 GT-X(FC3S) Tuned 後期型 トヨタ アルテッツァ RS200 Lエディション(SXE10) 4 後期型 セリカ GT-FOUR(ST205) Tuned セリカ TRD Sports M(ZZT231) 4 前期型 MR2 GT(SW20) Tuned 3型 VW ゴルフ GTI(1KAXX) Tuned ルノー ルーテシア ルノー・スポール V6(BL7X) 4 フェイズII Cクラス 全14車種 プジョー 206 RC(206RC) 4 ホンダ シビック SiR(EG6) Tuned 後期型 シビック タイプR(EK9) マツダ ユーノス・ロードスター(NA6CE) Tuned 前期型 ロードスター RS-II(NB8C) 4 後期型 ロードスター RS(NCEC) Tuned 前期型 フォード フォーカス ST170(WF0ALD) 4 後期型 ミニ ミニクーパー S(RE16) 4 VW ニュービートル ターボ(9CAWU) 4 後期型 トヨタ スプリンタートレノ GT APEX 3door(AE86) 4 前期型 MR-S S EDITION(ZZW30) 4 後期型 スズキ スイフトスポーツ(ZC31S) Tuned 前期型 シトロエン クサラ クーペ VTS 4 後期型 C4 2.0 VTS(B5RFK) Tuned 前期型 Dクラス 全6車種 三菱 コルトプラス Sport-X Version(Z27A) 4 後期型 6MT使用不可 マツダ デミオ スポルト(DY5W) 4 中期型 ホンダ フィット 1.5S(GD3) 4 中期型 CVT搭載(MTでは7速化) 日産 マーチ 12SR(BK12) 4 前期型 トヨタ ヴィッツ RS 1.5 3door(NCP13) 4 中期型 カローラレビン SR(AE85) Tuned 前期型 コース コース数は4で7コース、 Tuned では全難易度で新コースが追加され、計24コースが収録されている。 Tuned 稼働から1年して、前作の全コースが「コースアーカイブ」と称して順次復活した。(前作と同じ)弩級以外の難易度でC、D、超初級はC、超弩級はB、Cコース。 全コースで順走・逆走が選択でき、弩級以上は一本道コースとなる。 前作同様走行方向によってデフォルトBGMが異なる他、公式のコース紹介で全長・高低差不明のコースはゲーム内で明らかとなっている。 + コース一覧 難易度 初出 コースタイプ 全長 高低差 デフォルトBGM 解説 超初級 4 周回 2458m 2m Win The Glory 日米のオーバルサーキット(*3)を元ネタとした明確なサーキット系オーバルコース。珍しい事に、スタート地点及びホームストレッチが本来ではピットロードである脇道に設けられている。難易度相応に道幅が広く、見通しも良く、バンクも深めでオーバルコース中で最も速度が出やすい。最初のバンクは深く短い為、そこで思い切ってアウトインアウトを駆使しよう。 超初級B Tuned (2007年2月6日追加) 一本道 10101m 85m The Moment of True 夜の横浜ベイブリッジと東京湾アクアラインが元ネタのありそうで無かった最初で最後の初級系一本道コース。直線と緩やかで長いコーナーだけで構成され、唯一0-400mと0-1000mのタイムを計測可能なコースでもある。車のセッティング次第で最高速頭打ちも行ける程に平均速度が極めて高く、最高速も300Km/h越えもあり得る。車両によってはなんと350Km/h近い最高速になることも。トンネル内のカーブでどれだけアウトインアウトが出来るか、トンネル内の下り坂で最高速を稼ぐ事が重要。 Tuned で追加されたギア比「SUPER HIGH」をここで思う存分発揮しよう。 超初級C Tuned (2007年11月1日追加) 周回 2593m 0m Revenge on X 前作の超初級が復活。コースアーカイブ8回目の復活コース。ブースト機能が及びセッティング機能が追加されたことにより前作より最高速が上がり、コーナーでの処理が難しくなっている。 初級 無印 周回 2636m 25m Gateway to Victory 海にそびえ立つ大鳥居が特徴の宮島を元ネタとした真昼の街道コース。全体的に走り易く癖の無いコースだが、道幅が少々狭く、コーナーでのオーバースピードは禁物である。 初級B Tuned 周回 2980m 27m Slippin Away 前作の初級(初級C)のアレンジコース。同じ形状では無く、全体的に初級Cの脇道を走る様な形となっている。脇道故にトンネルの長さが短くなっていたり、全体的に海側のコーナーが鋭利になっている。基本的に緩めのカーブが続くが、初級Cと同じ個所に見通しの悪い急カーブがあり、臨機応変な対応力が必要。 初級C Tuned (2007年9月4日追加) 周回 2169m 13m Morning View 前作の初級がそのまま復活。超弩級Bと共にコースアーカイブ6回目の復活コースとなった。 初級D Tuned (2007年7月3日追加) 周回 2533m 9.1m Wild Instinct 前作の初級Bが復活。超弩級Cと共にコースアーカイブ4番目の復活コースとなった。 中級 無印 周回 1952m 28m Grand Slam ドリフトモード対応。朝の阿蘇山のカルデラを元ネタとした山岳コース。砂利道の個所もある他、高低差が非常に激しく、簡単な個所と難しい個所の落差が激しい。サスペンションセッティングには注意が必要。地面の凹凸を利用してドリフトに持ち込めれば走り易くなる。 中級B Tuned 周回 1340m 3.8m Destiny ドリフトモード対応。お台場の駐車場で開催されたD1グランプリを元ネタとした特設ショートコース。コース形状は『1』の中級に似ているがドリフトモード重視の設計故か、全長はシリーズ中でも最短。 中級C Tuned (2007年4月3日追加) 周回 1774m 33.5m The Machine of Rage 追加時よりドリフトモード対応。前作の中級が復活。コースアーカイブ最初の復活コース。 中級D Tuned (2007年12月4日追加) 周回 1842m 4m Burst of Dust 前作の中級Bが復活。コースアーカイブ最後の復活コースとなった。 上級 無印 周回 3325m 35m True Brave Man F1でお馴染みのモナコ・モンテカルロ市街地コース。1周が長いためか周回数はシリーズ初の2周。狭い道幅も忠実再現しているがシケイン等の一部コーナーにはショートカット防止用の壁が設置されている。 上級B Tuned 周回 4061m 29m Ice Crystals 大雪のシャモニー山中を元ネタとした、『1』以来の全スノーコース。こちらも周回数は2周。レイアウトこそまだ良心的だが、非常に滑り易く、見た目以上に走り難い。2連続ジャンピングポイントでは姿勢を崩さない様に注意。 上級C Tuned (2007年5月1日追加) 周回 2208m 30m Groovy Run 前作の上級が復活。コースアーカイブ2番目の復活コース。 上級D Tuned (2007年10月2日追加) 周回 2023.77m 29.3m Battle Gear 前作の上級Bが復活。コースアーカイブ7番目の復活コース。 超上級 無印 一本道 5184m 214m Autumn Breeze 2007年10月2日よりドリフトモード対応。PS2版『2』で超中級として登場した秋の妙義山をリメイク。因みに、一本道の超上級コースも同作以来である。 超上級B Tuned 周回 2475m 4m Move On! 世界ラリー選手権(WRC)のスペシャルステージをモチーフにしたスタジアムダートコース。スタジアムだからこそ出来る立体交差や自分のプレイが中継されているコース上の巨大モニターが見所。 超上級C Tuned (2007年6月1日追加) 周回 2164m 28m The Sense 前作の超上級が復活。コースアーカイブ3番目の復活コース。今作ではシミュレーター寄りの挙動になったためか、ジャンピングスポットで車が跳ねるようになっている。特に順走ではジャンプ後すぐに右コーナーになるため車によってはジャンプ前にブレーキも必要となる。 超上級D Tuned (2007年8月1日追加) 周回 2765m 10m Wild Instinct ドリフトモード対応(2007年11月1日追加対応)。前作の超上級Bが復活。コースアーカイブ5番目の復活コース。ドリフトモードでは全コース中最多のスコアを誇っていた。 弩級 無印 一本道 329m 順 Heaven On A Heartbeat逆 Black Desire シリーズ全作登場で御馴染みの榛名山。前作からグラフィックが小改良されて引き続き登場。細かい所では、前作まで「不明」とされたコース全長が表記されている。 弩級B Tuned 一本道 不明 452.4m Be Aggressive ドリフトモード対応(2007年8月1日追加対応)。前作から引き続き登場。 超弩級 無印 一本道 7403m 167m The Last Wall WRC第1戦のラリー・モンテカルロの舞台として有名なチュリニ峠を舞台としたシリーズ史上最難関コース。道幅がほぼ完全に1車線分の狭さで、かつ全長も非常に長い。完走には5分超えもあり得るので心して挑もう。 超弩級B Tuned (2007年9月4日追加) 一本道 不明 60m Feel The Noise 前作の超弩級が復活。初級Cと共にコースアーカイブ6番目の復活コースとなった。 超弩級C Tuned (2007年7月3日追加) 一本道 不明 The Night Diver 前作の超弩級Bが復活。初級Dと共にコースアーカイブ4番目の復活コースとなった。 評価点 シリーズを通して磨かれた格別な演出面 前作をベースに更に美麗化した、シリーズ最高峰のグラフィック。 車の内外装モデリングは勿論、タイヤスモークや霧といった「煙」、特に新規コースの街並みや田舎・山の自然の描写は文句無しの綺麗さとなった。 エンジン音等の効果音も、前作をベースに更に微細化。5.1chサラウンドシステム追加の効果もあり、車内視点では実車並みの臨場感が味わえる様になった。それどころか、コース脇から聞こえる水の音、鳥の鳴き声、観衆の声、花火の音も車外と車内で聞こえ方が如実に変わる様にもなった。 リプレイのカメラアングルもサード屈指の秀逸さ。 初代から(更にさかのぼれば前身作の『サイドバイサイド』から)積み重ねてきたノウハウがあるからこそ、実現できたカメラアングルだろう。 従来は隠し車種で存在した『頭文字D』や『湾岸ミッドナイト』等の走り屋漫画のパロディ要素は今作で排除され、「走り屋参加の合法レース」の雰囲気は全体的に薄まった。海外メーカー参加の影響も有ってか、「D1グランプリ」等の「レーサー参加の特設レースイベント」へシフトした印象があり、各コースや演出でもその傾向が見られる。 スタート時のシグナル演出(これは前身作「サイドバイサイド2」からの復活ではある)、新規コース脇の壁やそこにデザインされたスポンサー広告の多さ等。実際、「D1グランプリ」とは『無印4』から特別仕様車で間接的にタイアップしており、Tunedのオープニングデモの一つは中級BでD1出場車の2台がドリフトを繰り広げるもので、同イベントの忠実な再現となっている。 基板は前作のPS2互換基板であったSYSTEM246からタイトーのWindows PCベース基板であるTaito Type X+(*4)に変わった。 シリーズ中で最もリアルな挙動 前作よりも挙動が全体的にリアルになり、強引な荷重移動によるコーナリングが不可能となった。かと言って誇張でない程度にドリフト制御が比較的容易な所は変わらず継承されている。適切に減速、荷重移動を駆使しないとヘアピンが曲がれないリアルさと、扱い易いドリフト制御というゲーム性も両立している。この絶妙なバランスは、他のレースゲームの追従を許さないだろう。 リアル系・シミュレーション系統のレースゲームが好きなユーザーからは満場一致で非常に高い評価を得ており、事実上シリーズが終了した事を惜しむ声は今尚絶えない。一方でリアルな挙動が苦手な人への配慮も抜かりない。余裕ある制限時間、低難易度では適切に遅くなるCPUカー、離されても追い付けるラバーバンド、 Tuned では下記のサポート機能も追加している。 因みに『無印4』では全シリーズ中で最も『グランツーリスモシリーズ』寄りの挙動となっており、ステアリングレスポンスが全体的に固く重いため、サイドブレーキを駆使するか正しいセッティングをしなければ後輪駆動車でもドリフトがしにくい挙動となっていた。Tunedではこれらのステアリングレスポンスが若干強化。ドリフト制御が容易になったことで取っつきやすさが改善された。 シリーズ初の海外車種と海外コースを収録 国産車も従来通り多数収録し、全53台(無印は30台)の挙動とハンドルの重さも再現。シリーズ恒例の車内視点も勿論全車再現されている。登場している海外コースも、アメリカのオーバルとスタジアム、モナコのモンテカルロ市街地とチュリニ峠、フランスの名峰シャモニー山と国際色豊かである。 Tunedで更に追加された、初心者に対する手堅いサポート。 カーブで自動ブレーキが掛かるATである「簡単AT」を始め、次コーナー予告やブレーキ警告、ドライビングライン表示等、ゲームに慣れていない人に対するサポートが充実した。特に簡単ATを選べば、プレイヤーはアクセルとハンドル操作だけに集中すれば良く、コーナー前でアクセル踏みっぱなしでも曲がる時にハンドルさえ切れば大抵は曲がってくれる。加えて無印の段階で余裕のあった制限時間も更に延長。上記の挙動改良も相まって完走しやすくなった。初心者は勿論、初見・苦手コースに挑戦する経験者でも安心して完走・練習が出来る様になったと言えるだろう。 自由度の高いチューニングシステム。 パーツ獲得方は前作の『湾岸マキシ』のようなレース毎から、BG4ガレージでゲーム内通貨のBG(バトルゴールド)を消費してチューニングしていく方式となった。下記の様にチューニングパーツ・ドレスアップ(装飾品)は大分豊富だが、エアロで空力や性能が変わる所には注意。段階チューニングはいきなり上位のパーツは買えず、Lv.1から順に買わないといけない。 充実したボリューム 前作同様、外部製作されたBGMもコースの雰囲気にマッチしており高評価。今作のBGM作曲はフリーランスの足立賢明氏と阿部学氏が全曲を担当。前作の有限会社サウンドウェイブの鈴木貢氏とはまた違った、ギターとドラムを強調した明るめの曲調が多く、中には金管楽器を強調したスピーディーでジャジーな曲も。 ZUNTATA(*5)や鈴木貢氏による過去作BGMの殆ども収録されている。但し初代『サイドバイサイド』の全曲と『BG2』の初級コースBGM「To Become Wild」は未収録。後者は元クリスタルキングの田中昌之氏がボーカルを務めている為、権利関係の都合と思われる。 前述したが、稼働中期~後期にかけて「コースアーカイブ」という前作コースの復活が行われ、無事、全コースの復活を遂げた。 店舗によって設定された料金を投入すれば一定時間プレーし放題な「時間貸しフリープレー」に標準対応。タイムアタックでやり直すプレイヤーに対しての配慮はやはり抜かりない。また、その設定をした時のみの専用表示も。但しこれは店舗側が筐体テストモードの料金設定でそのように設定しなければならないので注意。また、この状態の時は通常のクレジットプレーが出来なくなる点にも注意。 賛否両論点 痒い所に手が届いていないシステム関連 エンジン音が大きすぎる。BGM音量を最大にしてもエンジン音調整が出来ない為、どうしてもBGMが聞き取りづらい。 前作同様、ハンドルの重さも再現しているが、調節機能は今作でも無い。人によっては疲れる事必至。 Tunedで若干改善されたものの、『無印4』ではハンドルの重さが更にリアル寄りになっており、限りなく実車に近いハンドルの重さを実現していたものの、取っつきやすさを求める一般層からの評価は厳しいものであった。 ハンドルの重さ自体は、当時既に『湾岸マキシ』では一定、『頭文字D Arcade Stage Ver.2』では調整可能だった。今シリーズでは前作の時点で問題になっていたのだから、無印の時点で調整機能を入れるべきだっただろう。 面倒で理解を妨げるセッティング機能 「本格的で楽しめる」という意見から「面倒くさい」という意見まで様々。今作だけに限った事では無いが、簡易セッティング機能があれば良かっただろう。 特にタイムアタックを極める場合、使用車種のマシン特性とコースの組み合わせに合ったセッティングメニューが必要となるのだが、正解となるセットアップを見つけるには途方も無い走り込みが必要であった。 このため、良心的なプレイヤーを中心に車種別セッティングの正解表をネット上やチームBBS等で公開・共有するケースが多く見られた。 有料機能(ガレージエクステンション)の是非 ※2016年8月1日から有料機能制度が廃止され、下記の全機能が全面無料解禁となっていた。 内容は、レース前後のオリジナルメッセージ、車のサイド、リアウィンドウに貼るオリジナルステッカー作成(*6)、チーム運営、ライバル募集、TAで走った記録の詳細(*7)である。 とはいえ、競合他社のゲームでは「このゲームにおいて無料で利用可能な要素」ですら大半が有料であることも当時の時点でかなり散見された事を考慮すれば、まだ有情…と見るべきか。 一部超高額なパーツの是非 一部車種に用意されていた偏光色と、エンジンチューン(600,000BG)、エンジンスワップ(800,000BG)が該当。しかし1プレイで約80,000~100,000BG増えるので、少々の貢ぎに抑えられているだけマシと言える。 問題点 これまで以上に猛威をふるう補正の数々 強引な追い抜き対策として、イン側からアウト側の他車に接触するとグリップ力が低下する補正が相変わらず存在している。今作はこの補正自体は強くないものの、今まで以上にリアリティになった挙動やその他の補正が絡んでしまい、体感的にはシリーズ中で最も露骨になっている。 インから他車に「少しでも」接触すると、自車のグリップ力が低下し、減速してもアウトに流されてしまう。逆に他車はグリップが上昇する。折角インから抜かそうにもこの仕様ではサイドバイサイドなんかたまったものではない。狭いコースが多いのだから尚更。下手すると無理ゲー化しかねない。勿論、イン側が他プレイヤーカーやCPUカーでも適用されるが、後者の場合は下記の仕様があるのでそこまで効き目が無い。 CPUカーはコーナリングする直前からグリップ力に上昇補正が大きく掛かる。勿論プレイヤーにそんな補正は無い。前作からある補正だが、今作ではそれがより大きく強化されてしまった。 例えブーストやニトロを使っていても、使っていない時と全く同じ位置でブレーキングする。 コーナー直前で自車がCPUカーに接触すると、CPUカーは壁に追突するどころか不自然な速さで見事にコーナリングする。プレイヤーカーがぶつけられた場合はこれらの補正は適用されないので余計に理不尽さに拍車を掛けている。 それ以前にCPUカーの走り自体が従来と同様に限りなく完璧に近い。AIで動いているわけではないので、コーナリングもかなりコンピュータじみており不自然。 文面からでは分かりづらいが、一度でもプレイすればその恐ろしさは一目瞭然。不公平以外のなにものでもない。それを見越してか上記の評価点で述べた通り、ラバーバンド機能が存在しているが、それでバランスが取れているとは到底言い難い。更に上級者向けコースになるとラバーバンドすら空気になってしまい、上記の補正を利用しないと勝てないレベルである。 チューニングシステムにかなり不便な点がある BG4ガレージ(webサイト)のパーキングスペースは最大60台まで入れられるのだが、初期状態では3台までの上、1スペース購入するには100,000BGが必要。セッティングも6つまで保有出来るが、初期状態は1つだけの上、1つ追加する度に現在のセッティング数×100,000BGが必要。 「記載されていない隠し仕様として」パワーチューニングを先に施すと、加速が相当もたつく様になるという大きなデメリットがある。 駆動系、ハンドリング系の後にパワーチューニングを施せば回避可能だが、いかんせん無記載の為、初見プレイヤーが引っかかる可能性が高いのは頂けない。 今作のファイナルギアは、4つのセッティング済みのファイナルギアの何れかを購入する仕様となっている。いっそ簡易セッティング機能を付ければ良かったのでは? エアロが空力に影響する。現実と同じと言えば確かにそうなのだが、前作では走行性能に影響しなかった為、気に入ったエアロで走りたいプレイヤーからは大きな不満点とされた。ある程度腕に自信があるなら見た目で選んでもさほど問題は無いが、タイムアタックでは泣きを見る事になってしまう。 その空力変化も、ストリート、スポーツ、レースで一定の効き目があると言った感じでかなり大雑把。ウイングのダウンフォース調整も原則レーシング2でしか不可能。 前作から未登場の実在国産車がいささか多い 無印で外車、 Tuned で前作『3 Tuned 』の全コースが追加されたが、その反面国産車が前作から減少。計23台が追加された『4 Tuned 』でも未登場の車種が13台もあり、具体的にはランサーエボリューションVII・VIII4種(*8)、インプレッサ4種(*9)とBE5レガシィ2種(*10)、EP3シビックタイプR、後期S14シルビア、AE86レビンと何れも人気車である。一応、前作同様に近似車種(*11)が継続登場している車もあるものの、それは極一部のみで、前作で該当車を使用していたプレイヤーは無印・ Tuned で2度落胆する事になった。 これでも Tuned で相当数が復活した方ではあり、『無印4』の時点では車種以前に内容自体が劣化作と言える程に薄かった。前作のPS2互換基板からPCベース基板への移行による高精細なグラフィック作成の手間故か、車・コース共に前作よりも大幅に減少していた。事実上の前々作である『無印3』とはコース数は同じだが、収録車数では同作の全実在車34台(*12)に負けていたので、この問題の発生は不可避だったとも言える。結局タイトー側も最終アプデまでに全車種のグラフィック作成が間に合わないと判断したのか、前作から未復活に終わった車種に関しては「チューニングシステム導入に伴う近似車種への車種統合」という形を取ることとなった。(*13) 一方で Tuned での復活車種の一部には、ゲームバランスの関係で敢えて『無印4』での収録を見送ったと思われる車種も少なくない。例えば超フロントヘビーな重量配分故に頑固なアンダーステアが目立つR32スカイラインGT-R、パワステ無しの純サーキット仕様の後期NSX Type R等は、『無印4』のシミュレーター型の挙動では操縦が極めて難しくなる為に収録を見合わせたのではとの説も強い。 ネットエントリーキーの問題 前作同様に定価500円で売っている高価な記録媒体にもかかわらず、保存出来る車種も前作同様1台だけであった。BG4ガレージは60台まで登録出来る仕様があるのだから、せめて1つのネットエントリーキーに60台まで保存出来る様にするべきではなかったのだろうか…。 本作のゲームデータは現在の「Aime」「バナパス」等と同様サーバーに保存される方式を取っていた為、媒体の劣化の影響を受けず鍵の更新が不要であっただけマシだと言えるだろう。もし鍵の使用回数の概念があろうものなら更新の度に高額な料金を要求され、プレーヤーからは阿鼻叫喚の嵐となっていたことは言うまでもない。 オンラインサービスが終了した現在でもキーを販売している店があるが、ネットエントリーキーを使用したゲームプレイは行えないのでほぼ無意味。 その他 色変更をRGBでする事が出来ず、予め用意された色のみしか選べない。 そして色を変えるのに必要なBGも安いとは言えない。特に偏光色は500,000BGとそれなりに値が張る。但しカタログカラー(車種選択画面で選べる色)とホイールカラーは例外で無料と言う配慮はある所は親切と言った所か。 レガシィB4のヘッドライトの位置がバグでズレている。 総評 挙動もリアル寄りにしては最高峰に運転する楽しさを感じ取れ、ゴーストの細かい指定、チューニング要素の細かさといった完成度の高さは、間違い無く良作と評価して差し支えない出来栄えである。 だが相変わらず…どころかこれ以上も無い位に悪化したプレイヤーに露骨に不利に働く補正郡や、不便過ぎる仕様が幾つかある等、良点を台無しにしてしまっている箇所もそれなりにあり、手放しに評価可能な作品とは言えないのもまた事実。 更に無印時代はシリーズファンが離れてしまうほどの内容故にスタートダッシュに失敗してしまった痛手もあるなど、稼動当初からしばらくの時期に限ればシリーズの黒歴史とも言える要素も。 それでもゲームとしての粗はそれなりに目立つとは言え、アーケード作品でも屈指のリアルなレースゲームである事は疑いの余地がない。 結果として現在は勿論、当時のアーケードゲームの基準として見ても隠し要素に絡む貢ぎ要素も特に無く、アーケード筐体でレースゲームをしたいのならば自信を持ってお薦めできる一作と、時を経て再評価される格好となった。 現在は13年9ヶ月も続いたオンラインサービスが遂に終了となり、ただでさえ少なかった筐体がここから更に撤去されて数が少なくなることが容易に予想でき、いつ日本のみならず世界市場からも絶滅してもおかしくない状況にある。 もちろん一部店舗ではオフライン状態により稼働を継続する場所もあると思われるが、年数が年数なだけに近い将来基板や筐体の保守対応サービスが終了し、起動不能に陥り市場から完全絶滅するのも時間の問題である。 もしこの頁を閲覧した貴方が本作を遊んでみたいと思うならば、手遅れになってしまう前に稼動筐体を見つけ出し、ハンドルを握ってみて欲しい。 その後 長きに渡る稼動からのオンラインサービス終了 実に稼働開始から13年9ヶ月、そして『サイバーダイバー』のオンラインサービス終了後は5年にもわたり、唯一のNESYS専用カード(ネットエントリーキー)対応タイトルとしてもの間オンラインサービスを続けてきた本作だが、遂に平成が終わる1ヵ月前の2019年3月31日に、オンラインサービスが終了する事となった。 奇しくも2019年は、『バトルギア』稼働から20周年を迎えたアニバーサリーイヤーでもあったが、本作のサービス終了で、『3』の稼働開始から17年間続いたNESYSは役目を終え、NESiCAに完全に受け継がれた。 名実ともにシリーズは生誕20周年の節目及び平成の終わりの年を以って、前身作の『サイドバイサイドシリーズ』から数えれば23年の歴史に完全に幕を閉じることとなった。 2008年8月8日~24日まで開催された最後のオンラインイベント「バトギ夏の陣」を皮切りにイベント協賛を取りやめた2009年10月15日以降は、不具合修正以外は殆ど放置されてはいた。こうした状況の中、現在のタイトーがスクウェア・エニックスに吸収合併され、レースゲームを始めとする一部ジャンルの開発縮小及び撤退が相次ぐ等不安定な経営状態が続き、後述でも述べる通りその最中で開発チームは解散、所属スタッフも整理解雇された影響もあり(*14)、一部ファンの間ではシリーズの現存資料の散逸を心配する声もあった。そんな中で曲がりなりにもこれだけアーケードのオンライン対応ゲームの中でも異例と言えるほどに長い期間オンライン運営を続けてくれただけでも、タイトーには感謝せざるを得ないだろう。 連動サイトの『BG4ガレージ』もオンライン終了と同時に閉鎖され、『稼働店舗情報』『上位ランキング情報』の公開も終了した。但しシリーズ公式サイトの『BATTLEGEAR.NET』は、サービス終了から5年が経過した現在でも存続が確認されている。(2024年4月14日現在)とは言え、既にサイト開設から20年以上が経過しており、サーバーの老朽化等によっていつ閉鎖されてもおかしくないので、シリーズ作品の魚拓取得をしたり思い出として懐かしむのならば今のうちである。 その後のタイトーレースゲーム事情 その後タイトーは制作チームを一新した新体制の下で、完全新作レースゲーム「TOPSPEED(トップスピード)」を2009年に発表した。 筐体は同社の「D1GP ARCADE(*15)」風のシングル筐体で、基板に当時最新の「Type X2」を使用しグラフィックを『BG4』より強化、車は国内外の新旧車が登場(*16)。最大の売りとしては専用カードと最大10人のオンライン対戦が導入され、チューニングの保存(*17)やハンドルに装着されたボタンによる定型チャットが可能だった。同年7月にはロケテストまで行われたが、残念ながらそれを最後に続報が途絶えてしまった。お蔵入りと見るべきだろう。 あれから9年後、セガより稼働された『SEGA World Drivers Championship』で、初めて最大10人のオンライン対戦が実装された。 2010年、「D1GP ARCADE」の筐体を流用した「BATTLE GEAR 4 Tuned 2010」が海外向けに稼働を開始した。 NESYS・ネットエントリーキーの非対応化、英語化(*18)、コースアーカイブのコースが工場出荷時からプレイ可能となっている。 2010年9月、キッズ向け対戦レースゲーム「バトルホイール スピンギア」をAMショーで発表・出展。 レース中にライバル車に対戦バトルを仕掛けることができたり、座席後部にあるボタンで保護者が子供のプレイをアシストできるといった特徴的なシステムを採用。NESYSに対応し、カスタマイズ、追加コース・車両・ドライバー・パーツの配信、店舗ごとのイベントモード配信が計画されていた。2011年春の稼働開始を予定していたが、そのままお蔵入りとなった。同年2月開催のAOUエキスポの出展機種ラインナップに同作が含まれていないことからして、AMショーからAOUエキスポまでの間にお蔵入りが決まった可能性がある。 競合他社に受け継がれる本シリーズの魂 本シリーズで培われたノウハウの一部は、SIEが発売元のリアル系レースゲームの金字塔である『グランツーリスモ』シリーズに影響を与え、『5』以降で内装視点が実装されたり、正式にドリフト走行が可能になったりと、ある意味で受け継がれたと言えるだろう。 アーケードでも同様の事例がセガの『頭文字D Arcade Stage』シリーズに発生しており、4作目以降から挙動に物理演算要素を導入したり、10作目の『THE ARCADE』ではローカル対戦限定で4台通信に対応、本作以来15年ぶりに4人対戦可能な峠レースゲームが復活することになった。 家庭用移植にまつわる大人の事情 PS3を始めとする当時の家庭用新型ハード向けゲーム開発も高額になっていくことによる採算面の問題や、『 Tuned 』稼働開始から程無くしてシリーズの制作スタッフの大半がタイトーを退社した為か、本作の据え置き型ゲーム機への移植は行われなかった。 現在のタイトーはスクウェア・エニックスに吸収合併されたが、同社も旧スクウェア時代に『DRIVING EMOTION TYPE-S』で大失敗した経験があるので、スクエニ名義での家庭用移植や新シリーズも絶望的。また、『ダライアスバースト クロニクルセイバーズ』の様にスクエニ以外の他社に開発・発売を担当させる方法に関しても、そもそも前述の通りシリーズ開発チームの解散及びその所属スタッフの整理解雇もあり、同作の現存資料の残存すらも疑われる可能性がある為これもまた絶望的といったところか。 尤も、2010年辺りからレースゲーム自体格ゲーやSTGと共に需要低下に伴う売り上げ氷河期に陥っている為、それ故に競合他社の殆どにおいて新作レースゲームのラインナップの縮小及び開発そのものからの撤退が相次いでいる。現在タイトーは『ダライアス コズミックコレクション』をもって9年越しとなる家庭用ゲーム事業への再参入を果たしているが、日本における近年のレースゲームを取り巻く事情を鑑みると、タイトーが本作の移植を含めた新作レースゲームの開発に再参入する可能性はかなり厳しいものであろうか。 加えて、本作の上級コースのモデルがモンテカルロ市街地コースであることから、ライセンス絡みの問題でも家庭用機への移植を一層困難にしているとされている。 モンテカルロ市街地コースは世界各地のサーキットの中でも版権料が極めて高額であり、SIEの『グランツーリスモ』シリーズでは高額なロイヤリティを避けるために「コートダジュール」という架空の名称に変更し、国籍をフランス扱いとすることで収録していた為、本作でも同様の手法で収録していたものと思われる。現在は権利絡みの法整備が世界的に進んだことでこの手段が使えず(*19)、F1のゲーム等を除いてモナコが登場しなくなった現状を鑑みても、移植へのハードルはより一層高まったと言えよう。 時代の流れとは言え、後世に伝えるべきレースゲーム界の名作を残したメーカーの末路としては、若干寂しいものがある。 しかしながら、本シリーズのノウハウが競合他社作品に受け継がれたことから分かるように、レースゲーム冬の時代と呼ばれて久しい今のご時世においても、『バトルギアシリーズ』はこの世に生まれた証をしっかりと刻み込んでいるのである。 オンラインサービス稼動時の詳細 + 詳細 レースモード COM Lv.は標準では10まで選択可能。Lv.10を1位で完走したコースのみでLv.11を選択する事が出来、Lv.11をクリアすると、Lv.12、13…と続いて選択可能になる。 1位を取ると「レーシングスキル」が上がり、それに応じてレベルが上がり、対応した称号を獲得する事が可能。例えばLv.10を1位で完走すれば、いきなりその分レベルと称号が上昇する。 称号はレベルが上がれば自動的に付け替えられる。…とは言っても「称号名+(数字)」といった具合だが。 タイムアタックゴースト ゴーストの種類 解説 おまかせゴースト 全国ランキングの自分より1つ上の順位のゴーストが出現する。未完走の場合は最下位のゴーストが出現する。 自分のゴースト 自己ベストのゴーストが出現する。 僅差ゴースト おまかせゴーストの効果に加えて全エリアorエリア(ナンバー別)or店舗から絞込みする事が可能。 最速ゴースト 全エリアorエリアor店舗の1位のゴーストが出現する。 ライバルゴースト マイガレージで指定した相手のゴーストが選択可能。 ゴースト無し ゴーストが出現しない状態でタイムアタックを開始する。 因みに「僅差ゴースト」「最速ゴースト」のみノーマルの時のみA~Dクラスの指定が可能。これを利用して「金星&銀星」を獲得可能。 自分より1つ上のクラスのゴーストに勝利すれば銀星、2つ以上上のクラスのゴーストに勝利すれば金星が獲得出来る。 自分のクラス Cクラス Bクラス Aクラス Dクラス 銀星 金星 金星 Cクラス - 銀星 金星 Bクラス - - 銀星 因みに自分よりも上のクラスの車に勝利した証なのでAクラスでは獲得不可能。但しこの要素は単にランキングで競い合う為だけの要素であり、隠し要素解禁等には一切絡まない。 それぞれのモードで手に入るバトルゴールド(以下BG) レース2種 項目 獲得BG 基本獲得BG 80,000BG 1位 +5,000×COM Lv 2位 +1,000×COM Lv タイムアタック 項目 獲得BG 基本獲得BG 80,000BG 壁接触無し +20,000BG 自己ベスト更新 +10,000BG ドリフトモード 項目 獲得BG 基本獲得BG 100,000BG 自己ベスト更新 +10,000BG 因みに時間切れでも60,000BG、リタイアしても1,000BG貰える。アーケードゲームとの相性の良さもあり、非常に親切な設計となっている。 チューニングパーツ一覧 項目 解説 備考 駆動系チューン ブレーキ ブレーキを強化するメニュー。Lv1~3まである。 段階購入 タイヤタイプ スポーツラジアル、HGラジアル、レースタイヤハード・ミディアム・ソフト、ドリフトタイヤが装着可能。ドリフトタイヤのみドリフトに特化したタイヤとなっており、他のタイヤより滑り易くなっている。 スタビライザ スーパーハード・ウルトラハードが装着可能。 前後別 ダンパー スプリング ローダウン 強化ショック、ストリート・レーシング・ラリー車高調キットが装着可能。 ローダウン 強化ショックのみセッティング不可能 軽量化 剛性UP ボディ剛性を強化したり軽量化するメニュー。Lv.1~3まである。 段階購入 ドライブトレイン 駆動系統を強化するメニュー。Lv.1~3まである。 段階購入 ギアボックス載換 載換可能なパーツは現実に忠実である。 一部車種交換不可能 ファイナルギア (加速)←SUPER LOW、LOW、HIGH、SUPER HIGH→(最高速)がある。 エアロパーツ 部分ごとで、ボンネット、サイドミラー、ルーフ、サイドスカート、フロントバンパー、リアバンパー、ウィングが交換可能。全車種ストリート2種、スポーツ2種、レーシング2種、ラリー1種が用意されている。 ルーフのみ一部車種のみ交換可能でそれぞれ異なる。ウィングは元々装着されている車種にはウィングレスも可能。原則レーシング2のみダウンフォースの効き目を設定可能。 パワーチューン エンジンスワップ エンジンを載せ換える。マニア向けも含めて実在している物のみ登場している。コンプリートエンジンは、最初からフルチューンされている。無印ではオーバーテイクスイッチが使用不可能だったが、 Tuned では使用可能になった。 一部車種交換不可能。中には体感的に性能が低下するエンジンもあるので注意(*20)。更にマニア向けと表記されたエンジンは明らかに性能が落ちる。これは実在品を再現しているだけなのでバグでも罠でも無い。 エンジンチューン エンジンを強化するメニュー。Lv.1~4まである。Lv.3以上でオーバーテイクスイッチが使用可能になる。Lv.4は最高速向けなので、通常の場合は低・中速向けのLv.3を装着した方が良い。 段階購入。コンプリートエンジンでは選択不可能。 冷却チューン 冷却系統を強化するメニュー。Lv.1~3まである。 段階購入 マフラータイプ 低回転寄りのストリート、低・中回転寄りのスポーツ1,2、高回転寄りのレーシング1,2が装着可能。1は低速向け、2は高速向けである。 グラフィックでも変化する。 外部装飾品 ボディカラー 車体の色を変更可能。偏光色は一部車種のみ。 カタログカラーのみ最初から所持している。 ライトカラー ヘッドライトの色を変更可能。 マッドフラップ タイヤの泥除けを装着する。 車種別アクセサリ 車種によって違う専用のアクセサリを装着可能。 ホイール 架空のホイールに交換する。全車種共通である。インチアップ・ワイド化を装着する際には必須のチューニングである。 ホイールカラー ホイールの色を変更可能。全色最初から所有している。 ノーマルホイールでは装着不可能 リムカラー リムの色を変更可能。 ノーマルホイールでは装着不可能 ウィンドウカラー 窓の色を変更可能。 内部装飾品(車内視点で可視可能) タコメーター 12,000回転スケール。一部追加エンジンを装着した場合は純正タコメーターが振り切ってしまうのでこれを付けた方が良い。 ブースト計 これが無いとブースト計が表示されない。当然ながら自然吸気エンジン搭載車種に装着しても機能しない。 油圧計 リアルタイムで油圧が見れる様になる。 ゲーム的には飾り 油温計 リアルタイムで油温が見れる様になる。 水温計 リアルタイムで水温が見れる様になる。 時計 リアルタイムでゲームに内蔵されている時間(リアルタイム)を見る事が出来る。
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アルバートオデッセイ2 邪神の胎動 【あるばーとおでっせいつー じゃしんのたいどう】 ジャンル シミュレーションRPG 対応機種 スーパーファミコン メディア 16MbitROMカートリッジ 発売・開発元 サンソフト(サン電子) 発売日 1994年12月22日 定価 9,980円 判定 なし ポイント どちらかというと劣化した続編難度が大幅に増加 アルバートオデッセイシリーズ1 / 2 / 外伝 概要 特徴 問題点 評価点 総評 その後の展開 概要 前作『アルバートオデッセイ』の10年後を舞台にした続編。 前作の登場人物であった『ライアモス伯爵』の子のディーンが主人公で、前作のEDが(演出をはじめかなり変更されているものの)そのまま本作のOPとなっている。 特徴 演出や町と町の間がSRPGになっているという基本的なシステムなどは前作を踏襲しているが、多くの点で他のSRPGと同じになった。 他のSRPG同様『移動』→『一回行動』というシステムになったため、前作のように1ターンの内にどんなコマンドを使っていくかを考えることはなくなった。また町やダンジョンの中では一丸となって行動するため、仲間をバラバラに動かすこともできなくなった。 仲間のいるマスを通過できるようになり、狭い道に置くと障害物になるようなことがなくなった。 ZOCが導入され、モンスターの隣のマスをすり抜けて移動することができなくなった。 前作では固定装備だった右手武器も変更できるようになり、左手には盾やオーブなどを装備するようになった。 攻撃システムが変わり、通常攻撃は一度で2回の攻撃が行われるようになった。また命中率が表示されるようになった。 無限だった特殊能力は、精神力(MP)を消費する有限なものに変わった。どの特殊能力を使っても消費する精神力は1である。 全体的に難易度が上昇した。 攻撃された側がカウンターで攻撃する(敵の攻撃の後に『反撃』するのではない)こともあるため、敵に攻撃する際は自分のHPにも注意しなければならない。 正面から攻撃するとカウンターを喰らいやすい。もちろん、味方がすることもある。 敵味方とも、攻撃の命中率が変わった。前作ではよほどの力の差が無い限り攻撃が外れることはなかったが、本作では同レベル程度の敵なら70~80くらいの命中率となるため前述のカウンターと合わせて戦闘結果が読み辛くなった。 敵味方ともに会心の一撃が出るようになり、敵のHPを削ろうとしたら大ダメージが出て倒してしまったり、格下の敵から意外な大ダメージを受けてしまったりと、とにかく戦闘結果が安定しない。 主人公が死ぬと他の仲間が生きていても敗北となり、所持金が半減されてセーブ地点まで戻され、DEADの数値が一つプラスされる。 ダンジョン内に宝箱が登場した。消耗品の鍵を使うか、盗賊キャラの特技で開けられる。 モンスターと同じ扱いであり、隣のマスを通ろうとするとZOCに引っ掛かる。また本当にモンスターが化けていることもある。 問題点 前作のエンディングからの改変 町の外に出ようとした僧侶ノイマンが何者かの不意打ちにより無言で絶命するシーンは、敵の攻撃からアルバートをかばって死んだことに改変された。蘇生魔法を使える僧侶がかばうなよインパクトが台無しである。 苦労してやっと倒したはずのラスボスが大量発生して町を取り囲むという悪夢のような演出があったが、今作では一匹になっている。 大量に連れていたはずの部下モンスター達も一切おらず、本当に一匹。ストーリー上で対決するのだが前作のような手ごたえはなく、大勢で取り囲んでの袋叩きになる。姿も異形のモンスターから人型に改変され、威厳も迫力も感じられない。 前作の問題点が一部改善されていない。 前作と同じく、味方を中心とした一定の範囲内しか見ることができない。広いマップでは全ての敵を見ることはできないし、味方同士が大きく離れている場合一度メニューを経由しないとカーソルを移せない。 移動地点を選ぶ際、相変わらず移動不可なHEXは暗く表示される。全体の地形を確かめながら移動することができない。 敵は強力かつ多数。それでもフィールドは広いため敵を誘き出して各個撃破することができるが、ダンジョンでは狭いマップに強力な敵が犇めき合っているため、戦う→ボロボロになって出る→街に戻って蘇生 回復→また来るの繰り返しとなる。フィールドでも、マップの狭い駐屯地周辺でのペイルとの戦いはゲーム中最大の難所である。また敵の数が多いためテンポが悪い。 後半になると召喚魔法を使う敵が増える。あろうことか一度に6匹も召喚するような敵が複数いる始末。ZOCがあるので召喚される前に倒そうにも届かず、精神力切れを起こすまで延々と召喚され続けることになる。 フィールドマップにおいても町中においても、画面に多数のユニットが表示されると処理落ちする。特に敵も味方も数が増える後半は顕著。 敵側有利な状態異常。 マヒはダメージを受けた時でなく、魔法「マヒ弾」を命中させないと引き起こせなくなった。しかも当たってもマヒするとは限らず、絶対にマヒしない敵もいる。ボス敵も絶対にマヒしない。 マヒしたモンスターにもなぜかZOCは適用され、通行を妨げられてしまう。 せっかくマヒさせてもマップを切り替えると治ってしまう。町に戻って回復してまた来るという戦法とは相性が悪い。 敵は通常攻撃の追加でマヒや今回追加された毒、石化を仕掛けてくるようになった。毒と石化は自然回復せず、どちらも放置すると死に至る。 前作ではどこにいてもアイテムで治せたが、今作は味方が近くまで行かないと治せなくなった。また治すだけで行動終了してしまうので、近くにいる敵の排除も同時に行わないとまた状態異常にされるという悪循環に陥ってしまう。 治療用アイテムも状態異常の種類によって違うため数を用意するのにお金がかかる。治癒魔法は種類問わず治せるが、使える仲間は足が遅いので近くに行くのが大変。 主人公(笑)。 ディーンは主人公なのに持つ特殊能力が地味かつあまり役に立たず、前作の主人公アルバートが仲間になるとさらに影が薄くなる。また倒されると即敗北なのにもかかわらず特に打たれ強くもないため、やられないよう仲間の後ろでじっとしていることも多い。紙と揶揄されることも。 主人公だけは死なないように町のそばで待機させて、仲間を敵陣のまっただ中に突撃させるなんて場面もよくある。仲間は死んでも蘇生費用は安く、一度の蘇生で全員生き返るので全然問題ない。 前作はレベルアップに必要な経験値がキャラ毎に設定されており、支援キャラは少ない経験値でレベルアップできたのだが、今作は全員が同じ経験値でレベルアップするため、攻撃力の低いキャラのレベル上げがとにかく大変。 面倒だからと言って弱いキャラのレベル上げをさぼると、特定の攻撃しか通用しない敵との戦いで苦労することになる。よりによってラスボスも特定の攻撃しか通用せず、ラスボスの攻撃を防ぎきるためのキャラの育成も必要であるため、へたすると最後の最後で詰みかねない。 ゲーム中に登場する宝箱は6種類のランク設定がなされており、レベルや色で分けられているのだが、青と緑の宝箱は全てトラップボックスであり、中身を一切入手できない。 データ上は青や緑の宝箱にもアイテムテーブルが用意されているのだが、入手できないため、多くのアイテムがデータ上だけの存在となってしまっている。 敵からアイテムを盗むことでそのうちのいくつかは入手可能だが、完全に入手不可能なアイテムも存在する。 システムはかゆい所に手が届かない。フィールドで味方にカーソルを合わせてもレベルは表示されないし、買い物の時に持っているアイテムの個数がわからない等。 奇妙なモンスター名が多い。他のゲームなら「イフリート」となるところが「『エ』フリート」となっている。他にも「オーグル」(他のゲームでいうところの『オウガー』)や、「ビッ『ク』バイパー」なんてのもある。 エンディングは前作のような酷い内容ではないのだが、仲間の魔法使いキャラが何故か甲冑をまとった一般兵に変わるというシーンがある。これが何を意味するのか一切説明がなく、完全に意味不明。 評価点 小高直樹氏作曲の音楽は今作でも好評。 前作のアレンジ曲が多く、前作と同じ個所で使われているため、経験者にはなつかしく感じられる。 前作同様、ボスの行動順になるとボス用BGMに切り替わる。前作よりも更に迫力に磨きがかかっている。 フィールドBGMも前半、後半、雪原の3種類あり、どれも聞きごたえがある。 主人公の名前を「コンサート」にすることでサウンドテストができる。へべれけのゲストキャラはここで出演している。 町などの拠点への移動は、主人公を拠点に入れるだけで全員が一斉に移動するようになった(*1)。 装備品購入時に、装備可能かどうかが表示されるようになった。 夜しか開いていない怪しげな店もあったりする。攻撃力の上がる防具など面白いものもあるが、防御力が異様に低かったりするので主人公に装備させるのは大変危険である。 総評 独特のシステムが凡百化したのを皮切りに、前作の伏線を一応回収してはいるが凡庸なシナリオなどでさほど話題にならなかった。 前作が良くも悪くもプレイヤーに強烈な印象を与えたこともあり、単体ならともかく続編としては劣化した作品であろう。 その後の展開 セガサターンで『アルバートオデッセイ外伝 レジェンドオブエルディーン』が発売された。ジャンルはRPGに変更、2から数百年後を舞台にして差別化を図っている。 戦闘がコマンド選択式になったり、イベント、戦闘にキャラクターボイスが採用されたりなど過去作とは一線を画している。
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雷弩機兵ガイブレイブ 【らいどぎあ がいぶれいぶ】 ジャンル 3Dロボット・アクションRPG 対応機種 プレイステーション メディア CD-ROM 1枚 発売・開発元 アクセラ 発売日 1997年7月17日 定価 5,800円 プレイ人数 1~2人 判定 良作 雷弩機兵ガイブレイブシリーズI / II 概要 本編開始まで システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 過去の戦争で墜落した宇宙戦艦の眠る島「コロッサス島」の少年たちが人型作業機械「ライドギア」に乗り込み、島を脅かす火星軍と戦う様を描いた3Dアクションゲーム。 ロボットアニメを強く意識したタイトルや設定と、2頭身にデフォルメされた体型のメカニックデザインが特徴的。 本編開始まで 月国家シレナイトと火星国家マーシャンズによる人類初の星間戦争・MM大戦の終結には25年を要した。 終戦直前に地球の孤島へと墜落した月軍の戦艦「コロッサス」の乗組員は、月への帰還を断念していた。その島を「コロッサス島」と名付け入植に成功した彼らは地上で平和な毎日を送り、そして終戦から30年の月日が流れた。 ケン、スカリー、ライデン、ジョニーらコロッサス島の少年たちが、いつものようにライドギアの操縦訓練をしていたある日のこと、火星軍のダハー大佐率いる軍用機「オービタルギア」の小隊が島に現れる…。 システム 3次元の移動軸を持つベルトスクロールアクション。 マップ画面を自由に行き来し、拠点へ到達あるいは往復しながらストーリーを進めていく。 拠点の合間にある「草原」「森」「砂漠」「荒野」などのステージでは敵が大量に現れ、ライドギアの出番となる。ロボットゲームらしく遠近様々なタイプの武器を駆使して戦い、突破していく。 プレイヤーは4人の主人公から1人を操作キャラクターとして選択しゲームを開始する。 2人プレイの場合はそれぞれ1人ずつ選択することになる。ちなみに拠点であるケモー博士の研究所に行けば、いつでも操作キャラクターを変更可能。 評価点 爽快感 とにかくこれに尽きる。ロボットを操作し、様々な武器や格闘技を使って敵をバッタバッタと倒していくのは非常に気分がいい。 爆発音も小気味よく、爽快感を後押ししている。 この手のロボットアクションRPGには珍しく対戦モードは勿論、本編も二人で協力してプレイ可能。息のあったプレイで敵を撃破できればテンションも鰻上り。 なお、味方攻撃は設定でON/OFF切り替えができる。アレやコレを髣髴とさせる謀殺プレイも可能だが、友情ブレイクの危険性があるので程ほどに。 演出 武器のバリエーションはかなり豊富。 オーソドックスな剣やロボゲーではおなじみマシンガンの他、ヨーヨーや鷹匠の様に鳥を飛ばして敵を攻撃する色モノ武器まである。ローラーダッシュも完備。 イベントシーンはボイス付きで、声優陣も岩田光央、宮村優子、池水通洋、置鮎龍太郎、青野武、笠原留美、郷里大輔、森功至とかなり豪華。 音楽はメタル系で世界観にあっており、デザインも2頭身のオリジナルデザインとしては中々にカッコいい。 様々な要素の合成 本作は既存のゲームジャンルにおける多種多様な要素が詰め込まれており、それが上手く噛み合っている。 街での移動や買い物、会話や敵を倒して経験値を得て成長、技の習得等はRPG。マップを横スクロールしつつ敵を倒して進むのはベルトアクション。セレクトボタンで発動する無敵の画面全体攻撃、ボンバーはシューティングゲームのボムといった具合。 これだけ節操無く要素を詰め込んでいると、大抵の場合は要素同士が噛み合わせの不備を起こし、何かしらの不便さや違和感を引き起こしがち。そう考えれば、奇跡的なまでに噛み合わせが上手くいっている本作の設計がいかに優れたものであるかが窺える。 適度なボリューム RPGではあるが然程ストーリーは長くなくサクサク進む為、初回プレイでも10時間程度でクリアできる。 このためプレイがだれにくく、さながらアクションゲームのように気が向いた時に何度でも最初からプレイ…といった楽しみ方をしやすい。 手馴れたプレイヤーからは後述の難易度も踏まえて、物足り無さを指摘されることもあるが、この辺りは完全に好みの問題だろう。 賛否両論点 ゲームバランス ライトユーザーを意識したのか難易度は相当低い。 本作の武器は誘導性能のある一部のものを除いてY軸が揃わないと攻撃が命中しない。よって、基本的にその時点で購入可能な射撃系最強武器(サブウエポン)を購入してステージの端っこで撃ち続けていれば、敵の方から軸を揃えようと射線上に動いてくれるので、ノーダメージでエリア内の敵を殲滅できる。 上述の戦法が通用しない箇所は初期武器しか持っていない最序盤、店売りに適当な武器がなく何個もエリアを突破した後にボス戦のある中盤の後半、敵が誘導性能のある武器を使用することに加えて、攻撃を食らってもひるみにくい最終盤の3箇所くらい。それらについても、回復アイテムを大量に買い込んでゴリ押しすれば何とかなってしまう。 コマンド入力による公式裏技(というよりチートに近い)が存在している。 一度入力すればエネルギーもボムも無限。更に獲得経験値・資金は4倍になるなど、完全にゲームバランスなにそれおいしいの状態に。 より派手に戦えるため、爽快感そのものは増す。ゲームを楽しむという点からみれば十分にアリだが、やりこみの意義は大分失われるのでご利用は計画的に。 問題点 システム エリアのスキップができない為、遠隔地に行くためにわざわざエリアを一つずつ突破しないといけない。 シナリオ後半に一度、最後の街から最初の街まで戻る必要があるが、これが原因で非常にめんどくさい。 また、使用キャラの変更も最初の街でしかできないため、変更したい場合も最初の街まで戻る必要がある。この際も勿論スキップはできない。 キャラを変更した際に装備やアイテム・お金は共通で使用できるが、レベルやモーターは各キャラ固有のため引き継げない。 レベルについては上述したコマンドを使用すればそこまで苦も無く最大レベルまで上げられるが、問題はモーター。高性能のモーターは最後の街でしか売っていないため、どのキャラも育てたいという人は、最初の街と最後の街を何度も行き来する必要がある。初期のモーターは移動力が低いため、ただエリアを通り過ぎるだけでも時間が掛かる。レベルと異なりこちらは特に救済措置もない(*1)。 モーターは下取りできないため、金銭的には損になってしまうが、道中でその街で購入できる最高のモーターに更新しつつ最後の街に向かった方が精神的に楽かもしれない。 街で道端の人と会話をするためにわざわざギアから降りなければならないのも地味に面倒。 対戦モードで機体を出現させる為にはその機体を本編で撃墜するか、特定の条件を満たすかして「登録」しなければならないのだが、ラストダンジョン内に登録対象の機体が3体もいる。 特に最後の機体は味方側の機体で、しかもイベントのみの登場。登録したいなら一度ラスボスにわざと倒されてゲームオーバーになる必要がある。 敵のグラフィックパターンがそれほど多くない。後半に行くにつれて、撃墜しても対戦モードに登録されない色違いの機体が多くなる。 内部パラメータの数値ミス 武器関連をはじめとするパラメータがかなりいい加減。 メインウエポンのエネルギー消費やサブウエポンのリーチがステータスの表記より高かったり、低かったりというスペック詐欺が非常に多い。 格闘系の武器は基本的に攻撃力が数値通りでないのだが、中でも酷いのはドリル系の武器。元々リーチが短く、コンボ攻撃もない単発攻撃力特化の武器なのだが、実はその攻撃力が異様に低い。 イベントのために必ず購入する必要のあるジェットモールは表記上ではサブウエポン中最大の攻撃力を誇るが、実はただでさえ弱い(数値上の威力の出ない)ドリル系の中でも最弱。値段もかなり高いため、せっかく購入したんだからとイベント以外で使用すると悲惨な目に遭う。 一方で誘導系武器は強すぎる。回避が非常に困難でシールドで防御してダメージを軽減するしかない。 また2種類あるモーターの内、ダッシュ速度やジャンプ時間の変化など等効果が目に見えて分かりやすいレッグモーターと比べ、アームモーターは格闘系の攻撃力にしか関わらない。射撃主体で行くならアームモーターにはあまり意味がない。 ただし上記のようなパラメータ詐欺に関しては、後年有志が検証した結果判明した情報であり、少なくともプレイ中に違和感を覚えることは少ない。 OP詐欺 OP冒頭は地球近海にいる戦艦から敵が出撃するところから始まるのだが、本編は全て惑星内で物語が進み、OP以外で宇宙および戦艦が登場するシーンは存在しない。OPそのものは非常に格好いいのだが…。 総評 粗は多いが、それでも同時期に発売されたロボットゲームと比較して出色の出来栄えを誇る逸品。 お約束のようなものをこれでもかと詰め込んでいるので、ロボット好きにはたまらない。 そうでなくとも、対戦モードや協力プレイで友人と遊べば、爽快感もあって熱くなれること請け合いである。 余談 関連商品としてはラジオドラマを収録したCD(全2巻)の他、バンダイよりプラモデルでの玩具展開も行われていた。コロコロコミックにおいても全2話の漫画版が存在する。 アクセラは本作発売から3年後の2000年に倒産しており、本作リメイクやシリーズ最新作の発売は勿論、ゲームアーカイブス配信すら絶望的。遊ぶには本作の現物を探すしかないのが悔やまれる。 一応の続編として雷弩機兵ガイブレイブIIが発売されている。詳細は該当作品の頁にて。
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ゴルビーのパイプライン大作戦 【ごるびーのぱいぷらいんだいさくせん】 ジャンル 落ち物パズル 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 徳間書店 開発元 コンパイル 発売日 1991年4月12日 定価 4,900円 プレイ人数 1人 配信 プロジェクトEGG規制版『パイプライン大作戦』2021年6月15日/550円オリジナル版『ゴルビーのパイプライン大作戦』2023年4月11日/550円 判定 なし ポイント 落ち物パズルとしては均整の取れたバランス当時の基準でも演出不足 概要 世界観 内容 評価点 賛否両論点 問題点 総評 移植 余談 概要 1991年4月に徳間書店が発売した落ち物パズルゲーム。 上から落ちてくるブロックのパイプを左から右へ1本のパイプラインとして繋いで通すゲームで、根本的にはハイスコアを目指すスコアアタック目的のゲーム。 MSX専門誌『MSX・FAN』の1990年3月号の投稿プログラム『水道管II』をアレンジし、「ゴルビー」こと当時ソ連(ソビエト社会主義共和国連邦)の最高権力者であり最初で最後の大統領(*1)であったミハイル・ゴルバチョフ氏をイメージキャラに起用したものである。ただし、ゲーム本編には一切登場しない。 世界観 キミの手で日ソ友好パイプラインを造れ!日本のすぐ隣にあるのに、ぼくたち日本人にとって遠い存在だったソビエトという国。でも、ゴルバチョフ大統領(ゴルビー)の登場によって、日本とソビエトはぐーんと友好を深めつつある。そして更に友好を深めるために計画されたのが東京とモスクワを結ぶパイプラインの建設なのだ。シベリア鉄道に沿ってパイプラインを造るという壮大な計画。その成功はキミ自身の手にかかっている。日ソ交流新時代は、キミ自身が作り上げるのだ!(説明書より引用) 内容 様々な水道管のブロックが上から落ちてきて、右側の壁で水が出ているところから、このブロックのパイプを繋げて左側の壁でパイプのあるところまで通すことが目的。 ブロックは2つペアで落ちてくる。その片方が接地すると、もう片方は猛スピードで落下するが、その状態でも回転は可能。 基本的に右側の給水パイプは最下段から水が出ており、そこが詰まってしまうと空いている最下段から水が出るようになる。 パイプラインを繋ぐと、その1本に囲われていた部分のパイプブロックが全て高得点の「ブルーブロック」に変化する。 特定本数のパイプラインを通すことで、ステージクリアとなる。特定の本数はステージごとに決まっている。 東京をスタートとして、ナホトカ、ハバロフスク、イルクーツク、クラスノヤスク、ノボシビルスク、オムスク、スベルトロフスク、ベルミを経由してモスクワを目指す。 ステージをクリアする毎に地図上のパイプラインが伸びて、次の地区に繋がりモスクワに近づいていく。 一応モスクワまでパイプラインを伸ばすことを目的としているが、ゲームそのものはエンドレスにハイスコアを目指すクラシックなスタイルである。 特殊なアイテム 水滴 水が出ている部分につけると、そこから下のブロックが一気に消え、ラインも1本作ったことと判定される。それ以外に落とすと何も起こらない。 ビン 水が出ている部分につけると下から得点の高いブルーブロックが4段出現する。もちろん4段分上がってしまうので自滅に繋がることも。それ以外に落とすと何も起こらない。 ドリル(タテ) ブロックをタテ1列一番下まで直線状に破壊する。 ドリル(ヨコ) ブロックをヨコ2列分×タテ4列を破壊する。 得点方式 パイプラインが成立した時に加点される。計算式は下記の通り。 (パイプの長さ - 11)× 消えたブロック(ブルーブロックは× 5)× ステージ数 評価点 独自性のある落ち物パズル。 これまでの落ち物パズルと被らない完全なオリジナリティを持っている。 クリアとハイスコアのバランスも重要。 単純に長いパイプを通すだけではブルーブロックを大量に出してしまうので、自ずとスペースを圧迫してしまう。もちろんそれを出して消すことでハイスコアを大きく補助してくれるには違いないが、後が苦しくなるのも間違いない。 こういった部分で計画性が必要とされるので、早く消すだけ、多く消すだけとこのようなゲームにありがちな悪癖「単純さ」を排したものになっている。 瞬時の回転の判断が重要。 ブロックがペアなので、切り離しての回転がいかに好判断してできるかも重要となる。これができるか否かでもスコアにしてもクリアにしても効率が違う。 BGMはかの有名な『テトリス』同様、ロシア系で統一されている。 チャイコロフスキーの「白鳥の湖」やロシア民謡の「トロイカ」など、こういったロシア系サウンドは、このような落ち物パズルではプレイヤーのリズムを整えてくれるので親和性が良い。 音質自体もファミコンながら非常に良く、聴き心地は良好なもの。 賛否両論点 ポーズ機能 この手の思考を伴うゲーム性を持つ作品は、ポーズで一時停止中に次の一手を考えるのを防ぐために画面を暗転するなどして隠してしまうことが多いが、本作では画面が隠されることはない。 パーツ構成や組み方自体が少々複雑であり、ピースの素の落下速度が初期レベルの段階から速めになっているので、じっくり考えられるのはありがたい。 反面このようなゲームではそのスピードもゲーム性のうちなので、それを壊すズルの許容とも取れてしまう一面もある。 問題点 難易度が高い 上述の通り、パイプの繋げ方に計画性が求められるため感覚的なプレイが効かない事、パイプの先端を塞いでしまうと「ドリル」を使わない限りカバーできない上、次のピースの種類次第で状況が左右されてしまうこともあり、ルールのシンプルさとは裏腹に難易度はシビアな部類に入る。 ピースの素の落下速度がレベルの上昇と同時に上がっていくのは他の一般的な落ちものパズル同様だが、難易度最低であるレベル1の段階で落下スピードがそれなりに速め。最終ステージともなるとゆっくり考える間もなくなるためかなり難しい。 アイテム「ビン」はマイナスアイテムになりやすい。 4段上げてしまうのでそれを消すことでハイスコアの援護になるとはいえ、相当やり慣れないと自滅に繋がることの方が圧倒的に多い。 イヤならば水を避けて落とせばいいとはいえ、結局このアイテム自体の価値はないに等しい。 モスクワに到達しても、ただ地図画面で花火が上がるだけで、達成感が薄い。 元々根本はハイスコアを目指すエンドレスなパズルなので気にするなと言えばそれまでだが、同じようなゲーム性の『テトリス』もカチューシャをバックにダンスしたり、専用の画面で花火が上がったりと、ちゃんと特別な演出がされている。 更にエンディングのようなデモもない。 水滴はパズルのコンセプトを壊す一面もある。 初心者には優しいが、これだけで「パイプラインを1本繋げた」とカウントし、得点を与えてしまうのは、少々やりすぎな感も否めない。 水滴自体滅多に出ないとはいえ、反射神経や瞬時の判断力を重要視する落ち物パズルとしては手放しで褒められるものではないだろう。 絵面的な地味さゆえの爽快感の薄さ 仕様上連鎖という概念が存在しないためパイプを繋げた時の爽快感にかける他繋げた時のエフェクトなども特になく、プレイ画面のデザインも全体的に簡素で演出面での刺激に欠けているため、作業感が強い。 対戦モードなどがないのも盛り上がらない要因となっている。 総評 「右から左に一本に繋ぐ」というスタイルの落ち物パズルはそれまでにない独自性があり、ステージの数が得点に関与しハイスコアを目指す上でカギになることはあのゲームボーイ版『テトリス』に通ずるものがある。 またテトリス同様にソ連に纏わるゲームらしくBGMもロシア系で統一されており、ロシア系サウンドと落ち物パズルの親和性の良さを改めて実感させてくれる。 とはいえ、単にパイプラインを繋いでハイスコアを目指すだけで対戦もできないゲーム性は、スピード要素を持つ落ちモノパズルとしては少々物足りなさが感じられる。 良くも悪くもシンプルでかつ高い難易度を前提とし、もくもくとやりこむスタイルに面白みを見出せるかどうかがカギと言えよう。 移植 MSX専門誌の投稿プログラムを基に作られた本作だが、本作発売の後にFC版がMSX2に移植されるという形で古巣に出戻りを果たす格好となった。 グラフィックはもちろん、サウンドもハードの性能を活かしてグレードアップしている。 本作の権利はD4エンタープライズに移行しており、2021年1月18日に同社の月額制スマートフォンアプリ「PicoPico」、2021年6月15日にWindows PC向け配信サービス「プロジェクトEGG」にてそれぞれ本作が移植されている。しかし、権利問題からか「ゴルビーの」の部分が消去された『パイプライン大作戦』というタイトルに変更されている(EGG版紹介ページ)。 原作でタイトル画面に大きく描かれていたゴルバチョフ氏の部分が空になっており、元々は氏ありきでデザインされていただけに寂しいタイトル画面になった。イメージイラストでもゴルバチョフ氏が黒塗りのシルエットになって存在を消されている。さらに掲載されているパッケージ画像の裏側に載っているタイトル画面もご丁寧に修正後のものになっている。 ストーリーでも「ゴルバチョフ大統領(ゴルビー)の登場によって」の部分だけがきれいに削除され「でも、日本とソビエトは、ぐーんと友好を深めつつある。」となっている。 言うまでもなく、この頃にはソビエト(ソ連)という国は既にない。 後の2023年4月11日にプロジェクトEGGでオリジナル版そのままの『ゴルビーのパイプライン大作戦』が配信された(紹介ページ)。従来の上記規制版『パイプライン大作戦』も継続して配信されている。 権利問題などをどうクリアしたのかは定かではないが(*2)、タイトル違いで内容がほぼ同一のゲームが並列するという珍しいケースである。 余談 ソ連大統領の名を冠したゲームで同じロシア系BGMなので勘違いされることもあるが、『テトリス』生みの親のアレクセイ・パジトノフ氏とは一切無関係な作品である。 徳間書店発売のゲームで『MSX・FAN』投稿プログラムから採用した作品は『ファミマガディスクシリーズ』の第1弾『香港』第2弾『パニックスペース』に続いて三度目となる。 また本作を手掛けたコンパイルは後に上記シリーズ第5弾であり、後に一大シリーズとなる『ぷよぷよ』を生み出すこととなる。 なお、その海外移植版の1つである『Qwirks』はパッケージに上記パジトノフ氏が監修という体で顔写真が大きく掲載されていた。 パッケージイラストは島浦孝全(しまうら たかまさ)が手掛けている。 東西冷戦を終結させたゴルバチョフ氏はこの頃西側諸国のメディアに引っ張りだこで、バラエティ番組やドラマへの出演のみならずファストフード店のCMにまで起用されるなど非常に露出が多かった。特に親日家として知られる同氏は日本向けの活動も多く行った。 同時期には(おそらく無許可で)ゴルバチョフ氏をイメージしたキャラクターを登場させたゲームが他社からも何作かリリースされている。それだけ当時の日本人にとって馴染みが深かった人物だということだろう。 だが、その反面ソ連・ロシアでは強力な改革に対する保守派からの反発を招き、同年8月には副大統領ヤナーエフ氏を首謀者とするクーデターが発生。それ自体は失敗に終わるも政局はますます混乱し、12月のソ連崩壊につながることになる。良くも悪くも、ゲームで描いたような図式にはならなかった。
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Dの制裁 デッドアンドアライブ R 光/闇 6 ■相手は自身のバトルゾーンにクリーチャーを出すたび、カードを一枚引く。 ■自分のバトルゾーンにクリーチャーを出すたび、相手は自身の手札を1枚選び捨てる。 ■Dスイッチ:相手のターンの終わりに、このD2フィールドをゲーム中で一度上下逆さまにしてもよい。そうしたら、相手の手札をすべて捨てさせる。 作者:亜寒帯! フレーバーテキスト 生きながら死んでいるのは、さぞ苦しいだろうねぇ。 評価 名前 コメント
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マテリアルブレイブ 【まてりあるぶれいぶ】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 Windows XP/Vista/7 発売・開発元 戯画 発売日 2012年3月23日 定価 初回版 9,800円通常版 8,800円 レーティング アダルトゲーム 配信日 FANZA 2021年8月13日/5,980円DL版は2023年3月31日をもって配信停止 判定 クソゲー ポイント アドベンチャーとしてもアクションとしても退屈伏線放置の短い一本道シナリオ性格の割にちょろ過ぎるヒロイン達 戯画作品 概要 あらすじ 主要キャラクター 問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 『ヴァリアブル・ジオ』シリーズなどアクション性の強いエロゲーを生み出してきた戯画より発売された、完成度に非常に定評があるTEAM BALDRHEADによる作品。 不思議な鉱石の力によって異能力を手に入れた主人公たちが、悪に立ち向かっていくストーリーである。 公式は“『BALDR』シリーズ開発チーム”を売りにしていたが、ゲーム性は『DUEL SAVIOR』シリーズに近い。何れにせよ前評判は非常に高い作品であった。 あらすじ 日本近海の火山活動で出来た新たな島――神尾城島で採れるレアアースエニグマタイトが世界を一変させた。 技術を向上させたが人間や動植物と融合する特性を持っていた。それは新たな進化と災害を意味していたのだった。 鏑木遙歩は母親の遺言に従ってアンリーシュトとして神尾城島にあるアンリーシュト・ナーセリーに向かっていた。 到着早々、幼なじみと名乗る倉木絵奈から歓迎を受ける。そこへ動物と融合したネオプラズムを撃退する。 ナーセリーの責任者から自分の能力が1つではないことを告げられる。 それは体液の接触により異性の特殊能力を遥かに向上させるエンゲージだった。 そこで王城叶とチームを組むことになるが、キスによりエンゲージを発動させネオプラズムを撃退する。 しかし、それはまだ始まりに過ぎなかった。新たな仲間と共に暗躍する敵組織の抗争へと巻き込まれていく。 主要キャラクター 鏑木遙歩 定期的に行われる検査で能力が発現。母親の遺言に従い東京から引っ越すことになった。 もうひとつの能力が原因で様々な事件に巻き込まれる事となる。 王城叶 性格は粗暴でワガママ、かつ純情。とある理由からチームを組みたがらないが、能力は優秀。 面倒見がよく転校したての遙歩の面倒をみる。独占欲が強く遙歩は自分のものだと公言している。 エーリカ・フォン・アウフシュナイター 没落貴族の末裔で世界有数の資産家の娘。お嬢様育ちで、上から目線で話す事が多く、遙歩を敵視している。 叶とはウマが合わないらしく言い争いなどが絶えない。 上音真白 氷を作り出すことができる能力者で特待生。授業に滅多に顔を出さないクラスメイト。 能力が強力である事を知られており畏怖の対象とされている。 いわゆる、キワモノが好きな変わった味覚の持ち主。 御堂金光 剣術を嗜み、古風な言動が特徴。 義理堅い性格で冷静な判断をするも、アンリーシュトの犯罪集団・イリーガル・アンリシュトが絡むと頭に血が上り手がつけられなくなる。 白藤・アンジェリーヌ・つぼみ うさぎパーカーを羽織っているフランス人とのハーフ。情報通で何でも知っている。 頭も良く、発明品を作っては遙歩で実験している。失敗すると爆発する。成功率は半々。 問題点 アクションパートについて 今作のバトルの形式は、高評価の『BALDR』系列ではなく、意見が分かれる『DUEL SAVIOR』系列である。 戦い方に関して、単調なコンボを繰り返すだけ、あるいはカウンターを狙うだけ、などで面白くないという声はある。 また、キャラクターのレベルアップによる強化がほぼ無い為、やりこみ要素には大きく欠ける(マテリアルアクトを使えるようになるだけ)。 伏線放置かつ短すぎるシナリオ バトル物はアクションパート等の存在もあり、単純に読ませるというだけであるなら多少の短さも妥協の範囲だろう。だが今作ではものの数時間で読了出来る、申し訳程度のシナリオの長さ。 それに加えて、ゲーム内で大量に示された伏線や世界背景、黒幕の存在などは明かされることがなくゲームが終わってしまう。『BALDR』シリーズや『DUEL SAVIOR』シリーズの様なシナリオの練り込みが無いのは致命的。 それだけでなく、このゲームには攻略ヒロインが5人いるが、最後の選択肢とその先のごく僅かな展開が変わるのみで、実質的な一本道となっている。 なお、ヒロインたちと海へ行く展開において、どのヒロインと一緒に遊ぶかを選ぶ選択肢が出てくるが、これはフラグとは全く無関係である。 元々は各ヒロインのルートをある程度は作る予定だったのが、資金不足等の理由で作るのを断念した残骸ではないだろうか? ちなみに、ライターは『あかときっ!』『恋騎士』などを手がけた藤原休樹氏であることから、元々不安視はされていた。 この作品の直後に発売となった『英雄戦姫』においても、観光ネタと食事ネタで親交パートが殆ど終わるなど、ライターとしての引き出しの無さが窺える。 缶ジュース1本で心も股も開いていくヒロイン達 ヒロインと親交を深める場面の多くで何故か缶ジュース絡みの展開が続く。 缶ジュースを奢ったり奢られたりするだけでヒロイン達は主人公に夢中になっていくのである。ざっと↓こんな感じ。 + 毎回缶ジュース 1章 遙歩 → エーリカ(ジュース) 浩一郎 → 遙歩(コーヒー) 2章 遙歩 → 叶(ジュース) 光 → 遙歩(ジュース)※叶により阻止 3章 叶 ※自販機で当たりとメール 遙歩 → 真白(コーンポタージュinぜんざい) 遙歩 → 絵奈(コーヒー) 4章 真白 → 遙歩(特濃ゲル風ウーロン茶) 遙歩 → エーリカ(カフェオレ) 6章 絵奈 → 遙歩(無糖のコーヒー) 遙歩(コーヒー) 遙歩 → 全員 ※競争で負けた罰 7章 遙歩 → 絵奈(オレンジジュース) つぼみ → 遙歩(ジュース) 8章 遙歩(コーヒー) 遙歩 → 叶・エーリカ(水) 9章 遙歩(ジュース) 10章 遙歩 → 絵奈(ココア) 真白(こくまろゲルジュース)※学園で話しかける 12章 浩一郎(グレープジュース) 13章 叶→全員 ※競争で負けた罰 「君とジュースを飲むADV」とまで揶揄されることになったのは自然の摂理だろう。 そもそもエンゲージに関わる設定があまり明かされていないため「なぜエンゲージを1回行うだけで主人公への好感度が跳ね上がるのか?」などの疑問点がある。 賛否両論点 分かりやすいお約束展開 このシナリオはおおまかに言うと勧善懲悪ものなのであるが、分かりやすい王道シナリオである反面、物語に深さがない原因とも言われている。 過去の『BALDR』系列を知っている人間では、尚更不満が強くなるのは確かだろう。 これが『BALDR』系列でない、と考えれば、それなりに納得が行く展開だと思われる。 アドベンチャーパートについて このゲームでは毎回行動制限があり、その回数を超えて探索することは出来ない。 この制限が煩わしいという意見がチラホラ見られる。 だが、いきなり広く探索することはゲームとして困難であるし、ゲーム後半に入るといずれ全範囲を探索出来るので大きな問題ではないように思える。 ただし「値段相応か?」と言われると肯定するのは難しいのも事実か。 評価点 音楽や(一部を除く)グラフィック面 バトルや日常パートにおけるBGMの出来は良い。 キャラを含めCGも美麗で良い出来である。叶関係以外は(*1)。 世界観自体は悪くない エニグマタイト・アンリーシュト・ネオプラズムなど素材は良い。 総評 KOTYeでもジュースネタで話題を攫っていった問題作であるが、バトル云々よりもシナリオの酷さが際立っている。 シナリオのひどさに加えそのバトル・探索パートの完成度も「9,800円」という値段設定を考えると戯画マインとしても上位に君臨する。 「TEAM BALDRHEAD作」という肩書きを信頼し『DUEL SAVIOR』シリーズ後継作として期待した多くのユーザーを失望させた作品であり、そのせいか一般向け移植もされなかった残念なゲームである。 余談 初回特典の主題歌集は評価された。 『GIGA OPENING SOUNDTRACKS 2009-2012』が今作の初回版特典として同梱されている。 今作の主題歌はショートコーラス版ではあるが、過去の名曲のフルコーラスを聞けるのは大きい。 なお、主題歌を歌っているのは「エロゲやってる人なら知らない人はいない」と言っても過言ではない片霧烈火氏である。 漫画化されており全2巻。ゲーム内で使える初回特典あり。 原作がこんなだからせめて漫画は……なんて事はなく案の定“戦いはこれからだエンド”。やはり投げっぱなしである。 原作同様作画は悪くないだけに綺麗に終われなかったのは残念である。 今作に向けて、おまけ武装が同梱された『ホチキス』等の戯画の作品を抱き合わせて買わされたユーザーも多かった。 『ホチキス』もまた、お世辞にも褒められない作品であり、これもまたユーザーの失望につながっている印象はある。 2013年1月25日に続編となる『マテリアルブレイブ イグニッション』が発売。その中で今作で放棄された伏線の回収が行われた。 伏線を回収しているとはいえ、シナリオ面はやはり残念な出来ではあるが、戦闘関連は大幅に改善が見られる。 2021年8月13日にFANZA独占で『マテリアルブレイブ』と『マテリアルブレイブ イグニッション』がダウンロード販売された。バラで買うよりも安いバンドル販売もされている。
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湾岸ミッドナイト ポータブル 【わんがんみっどないと ぽーたぶる】 ジャンル レース PS2版(参考用) 対応機種 プレイステーション・ポータブル 発売・開発元 元気 発売日 2007年9月27日 定価 5,040円 廉価版 2008年9月4日/2,940円2011年7月14日/1,890円 レーティング CERO B(12才以上対象) 判定 クソゲー 劣化ゲー ポイント レビューサイトで超低評価ボリューム不足 過去作からの流用の嵐実質PS2版の劣化移植チューニングシステムが面倒PS3版の移植と勘違いする人続出 湾岸ミッドナイトシリーズ 概要 問題点 過去作からの流用だらけのBGM・グラフィック 面倒過ぎるチューニングシステム ストーリーモードの問題点 その他の問題点 評価点 総評 余談 このゲームのPV 概要 楠みちはる原作のカーバトル漫画『湾岸ミッドナイト』を題材にしたレースゲーム。 本作は、7月に発売されたPS3版より少し遅れて発売された(当初は冬頃予定だった)。 これが原因で、PSP版がPS3版の移植だと勘違いして購入する人も多かった(*1)。 発売前からホームページでは大々的な宣伝が行われ、ファンからの期待もあったのだが…。 問題点 過去作からの流用だらけのBGM・グラフィック 具体的にはメニュー画面BGM・ライバルを探す場面のBGM・敗北BGM・基本的なゲームシステム・ストーリーモード(文章どころかシチュエーション・勝利条件までも流用)がPS2版の流用、効果音・レースBGM・勝利BGM・スタート地点選択BGM・3DグラフィックがPSP首都高からの流用。 これらは原作付きキャラゲーでは珍しくないことだが、前述の通りあらゆる所から流用しまくっており、あまりにもこのゲームは過去作からの流用が多過ぎである。 実は公式PVの時点で勘の良い人なら(ストーリーモードに関しては)過去作の流用(若しくはPS2版の移植)だと分かる。 しかし知らない人の方が圧倒的なので、そう言う人からは詐欺扱いされてしまった。 念のために書いておくがPS2版はアーケードゲーム「湾岸ミッドナイト」にストーリー要素を加えた移植作品であり、当然ながらBGMも古代祐三氏が作曲したAC版のBGMが「そのまま」収録されている。 しかし、今作はそれらのBGMを全てオミットし、PSP首都高のものに差し替えてしまっている。AC版のBGMは評価も高く、今も続く「湾岸マキシ」シリーズにほぼ皆勤の隠し要素であるだけに非常に残念な仕様である。 面倒過ぎるチューニングシステム 今作のチューニングシステムは、チューニングモードで6つのミッションをこなすというあまりに面倒過ぎるシステムである。 + チューニングモードの詳細。ネタバレ注意 STAGE3とSTAGE6のSPバトルの制限時間は60秒。 ちなみに全ミッション共通で条件を満たしつつ残り時間20秒以内(*2)にクリアするとSランクが取れる。 つまり、オールSにするには前半2ステージのせいで非常に難しい。 STAGE 1 高木編(ボディーチューン)霞が関~霞が関の急カーブがあるトンネルの出口付近 条件 一般車両と壁に接触するとペナルティ。100秒以内にゴール。 6つのミッションの中で一番条件が厳しい。 特にMR-S(MR)は曲がり過ぎてスピンするし、セリカ(FF)だと曲がりにくい。 そのため、丁寧に走りつつ、早くゴールに着かないとSランクは無理だろう。 難所はトンネル内のジャンピングポイント直後の左カーブとゴール手前の急カーブ。 STAGE2 ガっちゃん編(エアロチューン)レインボーブリッジ~芝公園 条件 壁に接触するとペナルティ。180秒以内にゴール。 かなり長い上に、浜崎橋JCT後のC1外回りへ向かう急カーブがとても難しい。 しかも、浜崎橋JCT後の直線の右側半分の車線がバリケードで塞がれている(*3)ので思いっきりアウトから攻めれないうえ、ブレーキング中に滑って壁に接触する危険もあるため、高木編より難しく感じる可能性もある。 STAGE3シゲ編(マフラーチューン)vs神谷エイジ(三菱ランサーエボリューションV)汐入~湾岸線分岐地点付近 条件 エイジに勝つ SPバトル(『首都高バトル』でお馴染みのバトル)でエイジとバトル。 STAGE6のSPバトルもそうだがランクは自分のSPの残量にも影響するので注意。つまり、ライバルを壁にゴリ押ししまくってはSランクは取れない。 相手のSPが残って自分がゴールに到達してもSランクになれない。 STAGE4大田編(駆動系チューン)~神田橋後の左カーブ~赤坂ストレート 条件:赤坂ストレートで速度を出す。 原作の赤坂ストレートの如く赤坂ストレートで速度を出すミッション。 赤坂ストレートでゴールする前に約265km/h以上出したらその場で終了。 逆にゴールしてしまうと、Sランクは難しい。 STAGE5山本編(ハンドリングチューン)木場~汐留 条件 制限時間内にゴールに到達 恐らく6つのミッションで一番簡単。 ぶつかっても良いのでとにかくコーナーをガンガン攻めること。 強いて言うなら大江戸JCTの急カーブと銀座の橋脚に注意か。 STAGE6リカコ編(エンジンチューン)vs朝倉アキオ(悪魔のZ)(湾岸ミッドナイトの主人公)大黒ふ頭~横浜環状(みなとみらい線)の長い右カーブ後の直線 条件 アキオに勝つ SPバトルでアキオとバトル。 直線だらけで、稀にアキオが横浜環状への分岐の支柱にぶつかることがあるので、その時がチャンス(*4)。そうで無かったらカーブで差を付けるか抜かそう。 ゲームの仕様として「自分が走っている車線にアザーカーが出現する」ようになっている。これを利用してアキオと同じ車線を走り、僅かながら速度を落とす方法がある(*5)。 ちなみにSTAGE5まで全てSランクを取ると、リカコが北見(悪魔のZを造り上げたチューナー)になり、アキオと島のSPバトルになる。 以上の全てをクリアするとチューニングが完了し、晴れてドレスアップができる。 …なのだが、ドレスアップパーツの種類が少ない上に、エアロはセット(部分ごとでは無い上、マフラーやウィングやミラーもセット)でホイールが多い位。 車やホイールの色を変えることはできるが、そのカラーリングバーの挙動が飛び飛びになり易く、思い通りの色を指定しづらい。 そして何より一度決めたら二度と変更出来ないので慎重に選ぶこと。 ストーリーモードの問題点 自車はSPが減るのに相手はSPが減らない話が多い。だったら双方のSPが減らないようにすれば良かったのでは? 相手のSPが減るのは「相手とSPバトルで勝つ」が条件の時のみ。 城島と島にアドバンテージを付けられた上でアキオが追い上げる話のアキオ編のみ自車のSPも減らないようになっている。 一部条件が難し過ぎる話がある(例 森下マコト編のvsレイナの1000m以上離せ)。 その他の問題点 アーケードモードにおいてノーマルカーでやるとライバルカーがかなり速い上、時折不可解な事をする事がある(急に速度を上げ、自滅等)。 さらにはアーケードモードに出てくるライバル車の出現方法は完全ランダムなので狙って出すのは至難の業。これは元のPS2版もそうではあった。 逆にチューニングカーやライバルマシンでやると、拍子抜けする程弱くなる。 どんなに頑張っても370km/h以上出せない(これはPSP版『首都高バトル』と同じ仕様)。 評価点 レース中の処理落ちが無い。つまり携帯機でまともに遊べる首都高ゲームであること。 クソゲーにはありがちのバグは無い。 クソキャラゲーに付き物な原作レイプは特に無い。ちゃんと原作通り。元を流用しているから当たり前だが。 チューニングモード後のドレスアップのホイールで、その中にはPSP首都高で装着できなかったホイールが登場している(例 死神ドライバーとユウウツな天使のシルビアS15のホイール)。 曲(主にレースBGM)はやはり流用で使い所はアレだが聞けないレベルではない。 一般車がより現実らしく(トラックや一般車が登場)なった(*6)。 車のマフラーからアフターファイヤーが出る。ただこれはPVで誇らしげに紹介している部分であるので誇張かもしれないが。 総評 幾らキャラゲーだからと言っても過去の自社作品からありとあらゆる所を流用し過ぎである。 それぞれの特徴的なシステムも、結局はプレイの障害になりかねない要素も多く、とても褒められた物ではない。 PS2版とPSP版『首都高バトル』の劣化移植としての側面も大きいため、もし今から遊ぶ気があるのならPS2版を買うことである。 それでもPSPにおける首都高系統のレースゲーの中では快適になった環境面もあるので小粒程度には楽しめるかもしれないが、その場合でも過度な期待は完全に禁物である。 余談 現在製品単体のスペシャルサイトは閉鎖されている。 このゲーム(とPSP版『首都高バトル』)の車のエンジン音は、360の『首都高バトルX』に流用されている。 このゲームのPV + YouTube
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マジカルチェイス 【まじかるちぇいす】 ジャンル 横シューティング 対応機種 PCエンジン メディア 4MbitHuカード 発売元 パルソフト 開発元 クエスト 発売日 1991年11月15日 定価 7,800円 判定 良作 オウガバトルサーガ関連作品リンク 概要 ものがたり ゲームのルール 評価点 賛否両論点 問題点 総評 再販、配信、移植 余談 概要 数多くのシューティングがリリースされ、シューティングハードとしての地位を確立させた1991年期のPCエンジン界に突如現れた一作。 『コットン Fantastic Night Dreams』に次ぐ魔女っ子STG。ダークな世界観でお笑い路線という変化球的なストーリーだった向こう側と違い、明るい色使いでポップで可愛い世界観になっている。イメージとしてはファンタジーゾーンや星のカービィシリーズに近い。 発売、開発元が無名なメーカーであり、特に前評判が高かったわけではないが、本作の魅力溢れる内容は、多くのPCエンジンユーザーを虜にしていく事になる。 すでに発売元のパルソフトは経営難であり、本作の発売の翌年に倒産してしまう(*1)。開発元のクエストも、まだ『伝説のオウガバトル』や『タクティクスオウガ』といったSFCの傑作を出す前のマイナーメーカーであり、ユーザーの知名度は低いものであった。 パルソフト経営難の件もあり、ソフト在庫は極めて少なく、それでいて本作の人気は口コミで広がった為、入手が極めて困難な状態が続いた。これがPCエンジンのプレミアソフトとしての事の始まりといえよう。 ものがたり 魔女修行中のリプルは、恐ろしーい魔女の先生との約束を破って、禁断の本「ねむれる悪魔」の表紙を開いてしまいました。するとどうでしょう。突然その中から6匹の悪魔が現れ、そのまま逃げ去ってしまったのです。さァー大変、この6匹の悪魔をつかまえ、またもとの本の中に戻さないと一大事です。リプルは約束を破ったバツとして、カエルにされてしまうのです。ガンバレ!リプル!!友達の星の精、くるるんとぐるるんを連れ冒険の旅に出発だッ! (説明書2ページ目より引用) ゲームのルール ゲーム前に3段階の難易度を選ぶ事になる。難易度は「らくらく(簡単)」「わくわく(普通)」「どきどき(難しい)」があり、らくらくは3ステージで途中終了、他2つは6ステージ構造である。 残機無しのライフ制。ライフ及び「えりくさぁ」が全部無くなるとゲームオーバーになる。 「えりくさぁ」は持っている状態でライフが無くなると、それと引き換えにライフが全開するアイテム。ショップでしか購入できず、1つしか持てない貴重品である。 IIボタン押しっぱなしでショット、2回連続で押すとストックしているアイテムを使用可能。またIボタンで自機の周りに付いているオプションの配置の固定/解除、IIボタンを押しながらIボタンでオプションの射撃方向(自機の移動方向の逆を向く)の固定/解除が行える。 敵を倒すと「くりすたる」が出現、それを集め、ショップに入ると買い物ができる。 ショップはステージ1~5は道中に出現、ステージ6はステージ開始前に強制出現し、道中には一切登場しない。すなわち、ステージ6のみはショップに頼る事ができず、忍耐勝負になる。 ショップ内にはメインショット(装備)の変更、ライフ回復、移動スピード変更、など様々なものが売られている。それらをいかに計画、効率的に購入するかが、本作をプレイする上での攻略の鍵となる。 多くのRPGのショップとは違い、物を売る事はできない。すなわち、装備を買い換えると前の装備は消滅する為、アバウトな購入は先の戦況を不利にさせていく事は必至である。 各ステージにいるボスを倒せばそのステージはクリア、ボーナスとしてライフ回復とクリスタルが少し貰える。らくらくのステージ3及び、他のステージ6をクリアすると、それまでの結果によりスコアが計算されゲーム終了になる。 他詳しいルールはウィキペディアを参照にされたし。 評価点 色使いがカラフルで鮮やか。自機や敵、背景に至るまで丁寧な描き込みがされている。主人公の女の子「リプル」が可愛い。 PCエンジンの性能を限界まで引き出した演出。 PCエンジンでは不可能といわれた多重スクロールによる演出が実現されている。 それでいてPCエンジンのSTGにありがちな処理落ちやスプライト欠けなどがほとんど発生しないという技術力の高さを存分に引き出している。 崎元仁・岩田匡冶コンビによる、内蔵音源の性能を存分に発揮したBGMの評価は極めて高い。 裏技でサウンドテストが聞ける。思う存分名曲を堪能すればいいさ。 2013年にはまさかのサウンドトラック化がなされている。 適度なゲームバランス。 ショットをその場の相性に合った買い換えを行う事により、戦況を幾らか緩和できる。これにより、シューティング初心者でもある程度楽にクリアできる。 逆に上級者には買い物せずにクリアするという目標もある。くりすたるは全ステージクリア後にそのままボーナススコアとして加算されるので、ハイスコアを狙うのなら、買い物をしない過酷なプレイが求められるのだ。 あえて普段使わないショットで攻略する楽しみもある。 賛否両論点 巨大な敵や派手な展開が少なく、迫力に欠ける。 STGでお約束な画面からはみ出るほどの巨大な敵などの存在はなく、ボス敵も自機より少し大きい程度に収まっており、派手な爆発などの演出はない。 それ故に処理落ちやスプライト欠けが起こらずに常時スピーディな展開を楽しむことができるので、一概に悪いことではない。 難易度は若干控えめ。 高難易度のどきどきモードですら、他のSTGに比べてしまうとそこまで凶悪な難しさではないので、上級者には物足りない内容かもしれない。 一応買い物を縛ることによってそれなりの難易度は得ることができる。 ライフアップやエリクサーを買わずにクリアする事で高いスコアボーナスも得られる。 問題点 ステージが少なめで、ややボリューム不足なところ。 スムーズにクリアするとだいたい30分前後で終わってしまうため、他STGと比較するとプレイ時間は短めと言える。 PCエンジンのSTGにおなじみのキャラバンモード(5分間スコアアタック)もない。 スコア稼ぎが熱いゲームな割に、セーブやスコアランキングは用意されていない。 ショットの性能差が激しい。 2面で購入できる「すいんぐ」が火力・範囲共に揃っており、ほぼこれだけで突破できるほど高性能。 その他火力が高くボスすらも瞬殺できる「ばぶる」、最終盤限定だが威力が高い上に貫通力と弾速で道中が楽になる「×4すぺしゃる」もかなり強力。 一方で「ばうんど」は正面に出ないため非常に当てづらい、弾速も遅く弾切れを起こしやすい、威力も低いと明らかに弱い。 「うぇーぶ」「ほぉみんぐ」は弱くはないものの、どちらも目に見えて欠点が多くて使いづらい性能となっている。 ショットの選択の幅が狭い。 ショットの種類はそれなりにあるが、すぐに店のラインアップから消えてしまい、以降は再登場しないため、ショットの種類が多い割に選択の幅が狭い点が惜しまれる。 総評 PCエンジンの性能を限界まで引き出した細かな作り。 発売元の倒産により出荷数が少ないことでプレミア化したのが惜しまれる良作といえる。 再販、配信、移植 発売されてしばらく経ってもなお、絶大な人気で購入希望者が殺到した為、当時のPCエンジンゲーム誌である「PC Engine FAN」から通信再販された事がある。ゲーム雑誌そのものがゲームを販売するのは異例中の異例であり、本作の人気を象徴するエピソードとなっている。もちろんこの再販版もプレミアが付き、今現在は入手困難である。 ドリームキャストのサービス機能の一つ「ドリームライブラリ」にて配信された事もある。しかし、ステージ途中で絶対にクリアできない不具合があり、ゲームとしての機能を果たしていなかった。 ドリームライブラリとは、近年で言うところのWii Uのバーチャルコンソールのようなサービス(*2)。メガドライブとPCエンジンの一部のソフトがプレイできたが、当然ながら今はサービス停止している。 1998年4月10日にWindows向けPCゲームとして移植された。発売元はボーステック。 基本的な内容は原作と同じだが、背景など一部外見に相違が見られる。BGMはPCエンジン版と同じものをCD-DA再生。 なにせ1998年のゲームなので、現行OSでのプレイはまず不可能である。また2000ではインストールすらできない。 XPではインストールは可能だが正規の方法ではパッドが正常に動作しない(非公式の修正パッチが存在する)。 Windows10 64bit版でも互換モードでプレイ可能(上記パッチ含む)だが、あくまで非公式である。またユーザー毎の環境の差が大きいため、動かなくても泣かないこと。 やはり昔のゲームであり、今入手するのはかなり厳しい状態である。 2000年8月4日にはゲームボーイカラーにも移植された。タイトルは『マジカルチェイスGB ~見習い魔法使い賢者の谷へ~』。発売元はマイクロキャビン。 敵の弾の一部が弱くなっていたり、どきどきモードが削除されるなど低難易度化。ショット数が大幅に減るなどのハードの制限による多くの変更が成されているが、シューティングとしての基本的な出来はしっかりとしており、オリジナルの売りである擬似3重スクロールも見事に再現されている。 エンディング曲がらくらくモードエンディング曲のみになり、PCエンジン版で通常エンディングで流れた曲は削除されている。変わってPCエンジン版でサウンドテストでしか聞けなかった没曲が、操作説明コーナーのBGMとして流れる。 ゲームボーイカラーの性能を限界まで使いきったスクロール演出の再現は見事だが、その分サウンドが割りを食うことになっている。しかしBGMの再現度も頑張っている方。 ショップの店員がカボチャ頭のおじさんから女の子に変更されている。 余談であるが、移植スタッフはたったの一人だけである。 しかし、これもまたプレミア化してしまっている。つくづく、プレミアとの縁が深いゲームである。 余談 海外版ではメーカー表示がクエストのみとなり、主人公リプルをはじめとする一部グラフィックが変更されている。 『伝説のオウガバトル』と『タクティクスオウガ』に武器として本作の主人公リプルの名が付けられた杖「リプルズロッド」「リプルズスタッフ」が登場する。 アイテム説明にて「偉大なる魔女リプル」と紹介されているため、今作の功績が認められたのかもしれない。 さらに両作の「パンプキンヘッド」はショップのカボチャ男そのものである。 某ゲーム誌にて、「バーチャルコンソールに配信して欲しいPCエンジンソフトベスト10」という企画において、本作は断トツだった。(ちなみに2位は『悪魔城ドラキュラX 血の輪廻』(当時はまだ未配信)) PCエンジンminiへの収録熱望も多かったが、それもかなわなかった。 今作を強くオマージュ、リスペクトしている作品は多い。 『デザエモンプラス』に収録されている「リトルチェイサー」はタイトルのみならず、主人公がピンクの魔女っ子であることなどから、今作の影響を強く受けている作品とされている。 後の時代の魔女っ子STG『トラブル☆ウィッチーズAC ~アマルガムの娘たち~』は「主人公が見習い魔女で名前もリプルを思わせる「プリル」」「ショップでお買い物、ショップ店員がカボチャの被り物をしている」という要素やパワーアップショットに今作と同じものが有るなど、今作を思わせるオマージュ要素が強い。 『メイドさんを右にミ☆』もショップ店員としてカボチャを被った紳士が登場している。 また、製作者の紫雨陽樹がワンダーウィッチ用ソフトとして開発していた「Silkey Shooting」も今作オマージュの強い魔女っ子STGである。
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本稿ではニンテンドー3DS用ソフト『ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー』と、その完全版である『ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル』について紹介する。判定はどちらも「良作」とする。 ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー 概要 システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル 概要(FtS) 評価点(FtS) 賛否両論点(FtS) 問題点(FtS) 総評(FtS) 余談(FtS) その後の展開 ブレイブリーデフォルト フライングフェアリー 【ぶれいぶりーでふぉると ふらいんぐふぇありー】 ジャンル RPG 対応機種 ニンテンドー3DS 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 シリコンスタジオ 発売日 パッケージ版 2012年10月11日ダウンロード版 2012年11月1日 定価 パッケージ版 6,090円ダウンロード版 5,400円 判定 良作 ポイント ブレイブ デフォルトシステムの奥深い戦闘ストーリー及びゲームバランスは賛否両論 「FF」ではない ファイナルファンタジーシリーズ関連作品 概要 『光の4戦士 -ファイナルファンタジー外伝-』の主要スタッフ陣が開発した新作RPG。 「原点回帰」を謳う「王道ファンタジーRPG」として制作された。 システムは光の4戦士を発展させたものとなっているが、世界観は完全に一新。従来の「FFシリーズ」ではない完全新作扱いとなっている。 ただし、クリスタル、ジョブシステム、魔法の名前など、『FF』を思わせる要素は多々存在する。 タイトルはしばしば『BDFF』と略される。 システム ジョブチェンジ 『FF』シリーズの一部にも存在するジョブチェンジシステムが本作でも採用されている。 そのジョブに就いているボスキャラクターを倒して「アスタリスク」と言う特別なアイテムを手に入れる事で、そのジョブにチェンジ可能となる。 「ジョブによってコマンド1つ・サポートアビリティ1つとステータスが決定」「さらにコマンドもう1つといくつかのサポートアビリティが装備可能」と、『ファイナルファンタジーV』にかなり近い。ただし、全ジョブ最大14レベルで、ジョブレベルアップに必要な経験値もすっぴんを除いて全ジョブ共通。 サポートアビリティはジョブ固有のものが1つに加え、特定の枠数(*1)だけ装備出来る。それぞれのアビリティに1~3の決められた枠数が存在し、強力なサポートアビリティはそれだけ複数の枠を使用する。 ブレイブ&デフォルト 本作の最も特徴的な戦闘システム。ターンを跨いで行動の前借り/後回しを行う事ができる。 防御行動である「デフォルト」を行うと、BPと呼ばれる数値が溜まっていく(最大3)。それを「ブレイブ」で消費する事で、ブレイブを行った回数だけ追加行動出来る(*2)。なお、BPは戦闘ごとにリセットされる。 またBPが無い場合でも、-3になるまで前借りを行う事ができる。戦闘が終わってしまえばゼロに戻るが、もしトドメをさせなかった場合、マイナスとなったターン数だけ無防備に攻撃を受ける事になってしまう。 アビリティの中にはBPをコストとして使用するものやBPを増減するもの、最大BPを1つ上げるもの等も存在する。 戦闘ボーナス 敵を1ターンで倒すなどの条件を満たす事で、獲得経験値などにボーナスを得る事が可能。上述のブレイブによる前借りと合わせて、雑魚戦では「やられる前にやる」事が推奨されるシステムとなっている。 必殺技 装備ごとに決められた条件を満たす(戦闘終了後も持ち越し可能)事で、必殺技が使用可能となる。攻撃力が高いだけではなく、追加で味方を強化する効果が発生する。 強化効果は「必殺技発動時に流れるBGMが続いている間」と言う一風変わったシステム。迅速にコマンド入力したりエフェクトの短い攻撃を行う事で、必殺技の恩恵をより多く受けられる。 また、BGMが流れている最中に別の必殺技を使用して新しいBGMを流す事が出来れば、最初の必殺技の強化効果もその新BGMが終わるまでに延長される。 必殺技は「必殺技パーツ」によってカスタマイズ可能。威力を上げたり、属性や追加効果をつけたり出来る。 フレンド召喚・配信 フレンドコード登録やすれちがい通信で、フレンドをセーブデータに登録する事ができる。このフレンドを戦闘中に召喚する事で、フレンドが予め登録した技が発動する。 アビリンク フレンドコード登録で招いたフレンドとは「アビリンク」が可能。リンクした相手が習得しているアビリティを使用する事ができる。ただし、効果は自力習得したアビリティより小さい。 すれちがい通信で招いて登録したフレンドとはアビリンク不可。 ストーリーが進むとCOMプレイヤー(*3)が登場し、彼らとアビリンクを行う事もできる。ただしお試し版といった具合であり、実際のフレンドとのアビリンクほど劇的な効果は得にくい。 ノルエンデ村復興 フレンドコード登録やすれちがい通信で登録したフレンドを使って、滅んだ村を復興させる事が出来る。 住人を多く作業に当たらせるほど、早く復興する。例えば1人で2時間かかる作業に2人で当たらせると1時間で済み、10人なら12分しかかからない、など。 ゲーム起動中にリアルタイムで時間が進み、3DSを閉じていても復興は進む。このゲームを起動していない場合は復興は進まない。 村が復興すると、前述の必殺技や必殺技パーツが手に入ったり、強力な武具・アイテムが買えるようになったり、消費アイテムが無料でプレゼントされたりする。特にほとんどの必殺技と全ての必殺技パーツは復興でしか手に入らない。 ネトフレ招待 フレンド召喚、ノルエンデ村復興に関しては、すれちがい通信やフレンドコード登録だけではなく、毎日1回、ネット上からランダムに1~4人を自分のセーブデータに連れてくる事ができる。 これによってすれちがい通信にありがちな地域格差がある程度解消されている。 Dの手帳 いわゆるコレクター図鑑。ゲーム進行に伴い、アイテム、モンスター、登場人物、用語などが記述されていく。 図鑑以外にも、未来の出来事であるかのような謎の文章が書かれており、ストーリーにも密接に関連している。ゲームにミステリアスな要素を与え、プレイヤーを物語に引き込む事に一役買っている。 評価点 王道ストーリーの中に「正義とは何か」「世界を救うとはどういうことか」を深く描いたシナリオ。 最近のスクエニRPGの大規模なシナリオに不満を抱いていた古参プレイヤーからの評価が特に高く、その一方で最近のゲーマーにとっても十分評価に足る質となっている。 メインストーリーだけでなく、サブシナリオやパーティチャットなどの寄り道ストーリーもキャラクターたちの魅力が最大限に引き出されたテキストにより評価が高い。 シナリオライターは『CHAOS;HEAD』『STEINS;GATE』などを手掛けた5pb.の林直考。『メモリーズオフ』シリーズや科学アドベンチャーシリーズなど、ADVのシナリオに携わってきた氏にとって初めてのRPGシナリオとなる(*4)。 上記のシナリオを彩る魅力的なキャラクター陣。テキスト面の秀逸さもあってパーティキャラ・敵キャラ・その他サブキャラ問わず印象的なものとなっている。 特にエタルニア公国軍のアスタリスク持ちキャラクター陣は、短いイベントの中で最大限に濃いキャラクター付けがなされており、どのキャラも「倒すには惜しい」と言われている。 ブレイブ&デフォルトシステムの奥深い戦闘。 1ターンに最大4回行動できるため、戦闘の展開が早い。BPをマイナスにしてもトドメを刺し切れなかった場合、最大3ターンも無防備に殴られるので油断出来ない。 また本作は全体的に敵の攻撃力が高めでレベルカンスト後でも即全滅がありうる(*5)ピーキーなバランスとなっており、B&Dでの力押しだけでなくアビリティ選択の見極めも重要。 上述した必殺技やフレンド召喚によりプレイヤーの手で戦闘を格好良く演出できるのも魅力。 ジョブシステム どのジョブも育成すればそこそこに戦える。 ジョブを手に入れるたび、その時点で漏れなくコマンドアビリティの選択肢が一つ増える。このためすぐにはチェンジしづらい状況でも、ジョブを手に入れたことそのものがパーティ強化の一端に繋がる。 ジョブチェンジするとキャラの衣装も変わるため、見た目重視で選んでしまうスタイルも有り。見た目で選んだジョブが弱すぎて足手まといにしかならない、といった事態は「あんまり」起きない。 ただ、ソードマスター・魔人など、使いどころに困るジョブも存在する。 BGMの評価が高い。 全曲をアニメ「進撃の巨人」のOP曲などで知られる「Sound Horizon」のRevoが手がけている。フィールドテーマやバトルテーマなど、まさにファンタジーRPGの王道BGMといえる良スコア揃い。 ハードロック調の激しい戦闘曲から電波系アイドルソングまで幅広い作風のBGMが楽しめる。特にアスタリスクボス戦で流れる「彼の者の名は」とラストバトルのBGM「地平を喰らう蛇」の人気が高い。 声優 声優で売るゲームでは無いのだが、声優陣は非常に豪華かつバラエティ豊か。 20人以上いる敵サイドの要人全てがベテランor人気声優。 登場機会の多いキャラはもちろん、一度しか登場機会のないキャラでも檜山修之や保志総一朗といった何度も主役を務めているクラスの声優ばかり。 本作は発売前より、頻繁に体験版を配信しユーザーより積極的に意見を募って製品版へフィードバックさせるという制作スタイルが取られていた。 先行体験版による内容のブラッシュアップは先のスクエニ作品である『FF零式』『シアトリズムFF』でも実施されていたが、本作では特に熱心に意見交換が行われた。 体験版時点では戦闘が非常に遅く、不満が続出したため、以降、早送り機能が搭載されるなどスピードがアップしている。 美麗なアートワーク 『サガ フロンティア2』を彷彿とさせる水彩画タッチのグラフィックは評価が高い。溶岩の上に建造された要塞都市、巨大な大風車が回るスチームパンク風都市など街のデザインも「光の4戦士」同様に凝っている。 当然ながら3Dの立体視にも対応しており、特に街のグラフィックは「飛び出す絵本」のような見応えが感じられる。 賛否両論点 一部声優の人選。 幼児の姿をしたとあるキャラには子役、つまり本物の子どもが声を当てており、かなり浮いている。 「浮世離れしたキャラに合っている」「明らかに雰囲気を壊す」「子役にこんな残酷な事言わせるな(*6)」等様々な意見があり賛否両論。 一応、ボイスはオフにすることも可能。 ジョブコスチュームの好みが分かれがち。 一部のジョブ衣装デザインとキャラデザインはゲストイラストレーターが担当しているのだが、全体的に癖が強く好みが分かれるものも少なくない。コスチュームはゲーム中のイベントにも反映されるので気にしがちなところ。「吉田絵の雰囲気にそぐわない」という意見もある。 一応、衣装を持っていればそれを装備させて外見を変更することが可能である。 問題点 一部のユーザーインターフェースが悪い。 ブレイブシステムの関係で、1ターンに複数コマンドを入力したり、同じアビリティを連続使用するのだが、その際のテンポがあまりよくない。ブレイブを1ボタンで行えればよかったという意見も。 アイテムのソートが不可能。使用時はまだ種類別に並ぶのだが、売却時は入手順にバラバラのため目当てのアイテムを探すのが非常に面倒。 ボタンとタッチパネルの振り分けが中途半端。例えば、Dの手帳はタッチパネルを利用しなければ開けないのに、操作自体はボタンで行う。 セーブデータは1つだが、取り返しの付かない要素は少なくない。特にDの手帳による記述追加の中には、非常に気づきにくく後から回収出来ないものも。 全てが不親切というわけではなく、左手だけでも操作出来るボタン配置やカーソルの位置記憶など、親切な面も存在する。それだけに不親切な点がもどかしい。 ただし、左手だけで操作できるように十字キーの左右に決定、取り消しを当てがったため、スライドパッドでコマンド入力や店での売買を行うと誤操作が発生しやすい。 戦闘面のバランス取りが極端。 反則的な性能を持つジョブコマンドが少なくないため、それらを用いると大幅に難易度が下がってしまい戦闘の緊張感がなくなる。 強アビリティの代表例としては、BP1消費で簡単にカンストダメージが出せる「点穴」「マルチバースト」、修得の手間無しにザコを簡単に一掃できる「クレセントムーン」、パーティ全体に全属性無効を付与する「大精霊の加護」など。 カンストダメージ・9999を割と簡単に出せてしまうため、攻撃系アビリティの多くが実質死んでいる。敵を眠らせたりする間接攻撃系のアビリティは、もはや存在意義が疑われるレベル。 ワールドへイスト+ハイジャンプの組み合わせで、敵から攻撃を受ける前にジャンプで退避しつつ落下ダメージを一方的に与え続けるハメ技が可能。反撃を使うような一部の敵を除いてほとんどに有効である。 必殺技や強力なアビリティを用いると、中盤までのボスは1ターン・ノーダメージで撃破するのも難しくない。終盤もそれほど苦戦する事はない。 雑魚戦は「殺られる前に殺れ」が基本で先手を取って一方的に殲滅するか、先手を取られてボコボコにされるかという両極端状態。 しかも緊張感を残そうとしたのか行動順に「素早さ×1.0~2.0」という大雑把な補正がかけられており、どれだけ素早さを強化しても先手を取られる事がある。また敵側の先制攻撃を防ぐアイテムやアビリティはかなり後にならないと入手できないため、出会い頭に先制されて事故死という状況がよく発生する。 ボーナスの中でも最も重要な「ノーダメージ(*7)」は一発でも敵に先に攻撃されると獲得出来ず、また上述のアイテムが手に入るまではプレイヤーの工夫でどうにかなるものではないので、この先制仕様は結構なストレスとなる。 ノルエンデ村復興で手に入る上位武器や必殺技、フレンド召喚やアビリンク等は初心者救済の面が強く、バランスを崩す恐れがある。 対策はプレイヤーが「縛りプレイ」をするしかないのが現状。 ボス敵との戦闘中には会話がたびたび入るが、この会話中も必殺技の有効時間が過ぎていくため、イベント会話の多いボス相手には必殺技の有効度が落ちる。 やり込み要素が薄い。隠しボスが少なく、普通にシナリオを進めるだけでレベルがカンストしてしまうのも要因の一つである。セーブデータが1個しか作れないため、周回プレイをするにはこれまで進めたデータを消さなければならず勇気がいる。 鬱展開が多い。 人間タイプのボスを倒した場合、基本的に相手は死ぬ(例外はあるが)。 多くのサブシナリオでは、相手がこちらを殺そうと襲ってくるため戦闘となるが、一部のサブシナリオでは、相手がそれほど悪い奴では無かったり、説得すれば平和的に別れられそうなキャラと衝突し、倒す事になる。 倒した際、まるで死んだかのような台詞を口にするため、「悪い事をしていないのに意味もなく殺した」ような印象を受けてしまう。 さらに、その後いきなりパーティチャットにて主人公達が平和的な世間話を始めたりする。酷い場合は「(今倒したキャラ達は)とってもお似合いのカップルだったね」などとなごやかな雰囲気で会話しだす事もあるほど。不評だったからかFtSではリレイズで蘇生している場面が追加された。イベントをスキップしてしまった場合はイベントビューワーやDの手帳の記述を参照するほかなく、見落としてしまう可能性もある。また、「蘇生したとしても殺害している事に変わりはない」「そもそもシナリオ上でリレイズが登場するのがそこくらい」「該当キャラはリレイズを使用できない」などの問題も。 とあるサブイベントはブラックかつ救いようのない展開になっており、人によっては不快になる可能性がある。しかも、アスタリスク獲得がかかっているため大半のプレイヤーは見ざるを得ない。 + ネタバレ注意・ブラックな展開の詳細について 簡単に言うと「ボスによって仲の良い幼い姉妹が発狂させられ、殺し合わせられる(そして互いに死ぬ)」というかなりアブない内容。ボスの変態じみた発言もあってCERO C(15歳以上対象)の大きな要因と言われている。 アスタリスク(ジョブ能力)獲得に人間タイプのボスの撃退(大半が殺害)必須となることが、鬱要素とは別の観点からも難点となっている。 大半の敵はちゃんと憎むべき敵扱いの描写をされているのだが、そのためせっかく手に入れたジョブの印象が悪くなり、ジョブ能力に沿った悪事を働いている連中が多いこともあって、同じジョブを名乗って同じ能力を使うのがとても嫌な気分になるという意見も。衣装がアスタリスク所有者のコスプレになるあたり重ねて更に心証が悪い。 シナリオのネタバレを見てしまうと楽しみを大きく損なう。 + ネタバレ注意・シナリオ全体の流れについて 中盤までは王道ストーリーが展開されるのだが、中盤も終わりに差し掛かった辺りから雲行きが怪しくなってくる。そして終盤に突入すると同時に大ドンデン返しが待っている。 この劇的なストーリーを「奥が深い」「面白い」と評価するプレイヤー、「奇をてらい過ぎている」「よくわからない」と評価するプレイヤーによって、本作のストーリーの評価が分かれる。 本作のシナリオライターの過去作を見るに、このようなシナリオになる事ははじめから織り込み済みだったようであるが。 5章以降、コピペのような繰り返しが多い。 特にあるイベントの「石碑から・・・ドラゴン!?」というセリフはよくネタにされる。(*8) そんな展開の中で、ほとんど同じ能力値のボスと何度も(最大3回)戦うことになる。 終盤のシナリオ練り込みが非常に甘い。 5章以降でルート分岐があり、「終章」と「真・終章」に分岐するのだが、シナリオの流れの通り敵の罠を破った場合、進めるのは「終章」の方。 トゥルーエンドである「真・終章」に向かうためには、シナリオの流れを大きく無視して敵の罠に嵌る必要がある。すでに罠である事が(プレイヤーだけでなく、キャラにとっても)ほとんど明々白々な状況なのに、衝撃的な事実が判明したように振る舞うキャラクター達は非常に白々しい。 さらに、この際に似たようなシナリオを繰り返す羽目になり、作業感が非常に強い。任意であるサブシナリオはもちろん、メインシナリオでも同じボスを何度も倒したり同じダンジョンに何度も行ったりする羽目に。またその際のイベントが度々使い回されており、毎回同じ状況で同じリアクションをとる主人公たちにも違和感を覚える。 本作のタイトル『ブレイブリーデフォルト』とは「勇気」を持って「拒否」するという意味であり、本作のテーマ、及び「終章」の展開を暗示したものである。スタッフも「終章」の方にたどり着いてほしいとインタビューで答えているが、ではなぜもう一方が「真・終章」なのか。 ざっくり言ってしまうと、「終章」ではラスボスの降臨を阻止して完結する。一方、災厄の根源を絶つためにラスボスを倒そうとした場合、わざと敵の思惑を成就させてラスボスを降臨させなければならない――というわけである。だが、その結果「テーマに反した行動を取らないとトゥルーエンドに到達できない」という仕様になってしまっている。 当初は「終章」で真ラスボスと激突する展開だったが、プロデューサーの「真ラスボスを隠しにしたら面白いんじゃないか?」と言う発案で変更された…とインタビューで語られている。だが、シナリオ演出の点においても、間延びと言う点においても、面白くなるどころか完全に盛り下げる結果となってしまった。 全体的に良作としての評価が多い今作だが、この終盤部分だけは多くのプレイヤーが口を揃えて欠点として挙げるポイント。ここで挫折したプレイヤーも少なくないようなので、下手にイベント全てを体験しようと思わず、ストレートに真終章を目指した方が良いかもしれない。 ニコニコ動画の生放送で行われたアンケートのうち「どの章が一番嫌い?」という項目では、この終盤部分にあたる7章が77%の票を得た。 あるキャラクターの正体が明かされるが、過去の人間関係と照らし合わせると「幼い頃から家族同然の扱いであったはずの人物を含め関係者が誰一人として素顔を知らなかった」という非常に不自然なものになってしまっている。これに関してはスタッフインタビューでも指摘されているが、「深く考えていなかった」「素顔を見ていないか、覚えていないか、どちらでもいい」と投げやりな回答をするばかりか、「きっと風呂に入るときでも兜を被っていたのでしょう」などと半ばギャグ混じりの発言をしている。ある意味ではこのあたりの姿勢からすでに次回作への片鱗をのぞかせていたとも言える。 全体的にキャラクターの言葉が足りていない。 やたらと勿体ぶっていたり、人の話を聞かなかったりするキャラが多く、「もっと早くにちゃんと説明してくれれば/説明しておけばこんな事にはならなかったのに」という事が非常に多い。 ストーリー上の事情により、これらを何十回も繰り返すことになる。 事態が起こったあとに反省や後悔が足りないキャラが多い。 スタッフインタビュー等を見る限り、これらはわざとやっている面もある様子。だが、それにプレイヤーが納得出来るかは人によって意見が分かれる。 実は全てのプレイヤーが必ず見ている所に物語の最も核心的な部分に迫るネタバレが仕込まれているという仕掛けが施されている。その仕掛けが明かされるのはエンディングの後であり、先入観を用いて隠蔽し続けたという巧みなもので、多くのプレイヤーを驚かせたものとして好評を得た。 しかし、その仕掛け自体が高度なものではないが故に不運にも気づいてしまうことも有り得る。それが分かった所で全く面白くなくなるような陳腐なストーリーではないが、何割か魅力は減じてしまうと言える。 + 最重要ネタバレ注意・シナリオの核心により具体的に触れています。未プレイの方は見ないことを推奨します。 本作のシナリオライター・林直考の名から察した方もいるかもしれないが、実は本作は王道ファンタジーに見せかけたパラレルワールドもの、より具体的に言えば林の過去作『STEINS;GATE』等と同じ「世界線移動もの」である。 本家ファイナルファンタジーに倣い、ファン間ではこれらの並行世界は移動する順に「第一世界」「第二世界」…と呼び分けられている。公式の呼称ではないので注意。 第四章クリア後、主人公一行は最初の町で目覚め、今までの冒険をもう一度追体験していくこととなる。しかし過去の経験とは微妙に異なる立ち位置のキャラクター、展開、そして以前は起きなかった事件に悩まされる中で、自分達の行いが正しいのかどうかということに疑念を感じ始める。 本作の死亡キャラの多さはこのための布石であり、以前に壮絶な死を遂げたキャラクターと再戦することで「プレイヤーが生殺与奪を握っている」という事実をより明確に実感させられる。しかも嫌らしいことに二回目以降の戦闘は不可避のイベントではなく、あくまでプレイヤーの任意戦闘である。 本作の最大の不評点である「似たようなシナリオの繰り返し」という感覚が何故起こるのかというと、プレイヤー側は第一世界から第二世界に移行した時点、遅くとも第三世界時点でこのシナリオの全体構造に気付くのだが(リングアベルが丁寧に解説してくれるため)、その後も暫くシナリオの流れのままプレイする必要があるため。 終章突入の場合は繰り返しも少なく、シナリオの流れ的にも問題ない。だが、真・終章に入りたい場合、第五世界までラスボスの企みに乗り続ける必要がある。シナリオとしては不自然な上、サブイベントの回収なども行うとかなりの手間であり、おまけにその頃にはレベルもカンストしているので戦闘すら楽しめない。 また、真終章突入時は「企みを知っている筈なのに、全く知らないように振る舞う」と言うあまりに不自然な展開となる。どうしても企みに乗るにせよ、「わざと企みに乗った」とか「企みを知っていたのに決意出来なかった」などのもう少し自然な展開も出来た筈なのだが。 ネタバレ事故の起こる危険性。 上記のように本作のシナリオはかなり練られているので、是非とも初見で、驚きを持ってプレイして頂きたいのだが、本作では最も重要な謎の核心部分が誰の目にも明らかな部分にいくつも仕込まれているため、それらに意図せず気づいてしまったプレイヤーの楽しみを減じてしまった。 まず、本作冒頭ムービーに登場する精霊・エアリー。実は彼女、作中に登場して主人公たちのガイド役を務めるエアリーとは声や服装が異なる。つまり別人。このことに気付くと、エアリーが最重要キャラクターだと知ってしまうこととなる。 エアリーの羽根の模様は数字をあしらったものであり、話を進めると数字が変わっていく。この事実は作中でとあるキャラにより明かされるのだが、メニュー時の下画面にエアリーの全身像が表示され、じっくりと見ることができるため、その前に気づいてしまう可能性がある。 そして本作のタイトル。本作は「FF(ファイナルファンタジー)」ではないので「FLYING FAIRY」から「FF」を取ると、「LYING AIRY(嘘つきエアリー)」という文字列が浮かび上がる。本作発売前から何度も言われていた「本作はFFではない」というスタッフの言は、このタイトルに込められた真意を伝えているものであり、発売前からこのネタバレに気づいてしまう購入者もいた。 何かと不満の多い「真・終章」だが、その最後を飾るラスボス戦の演出も賛否両論。 「フレンドの世界から力を借りる」と言う熱い演出があるのだが、実在のフレンドがいない場合、前述したデフォルトのフレンドである「COMタロウ・COMジロウ」らから力を借りる事になる。熱い展開に大きく水をさす事は間違いない。 スタッフは「昔、COMタロウっていたよね」と話のタネにしてくれたらいいな」などと考えてこのような仕様にしたようだ。確かに話のタネにはなるだろう……悪い意味で。 また、逆に「自分の世界がフレンドの世界のラスボス戦に力を貸す」ような展開が無いため、「本当にフレンドと協力している」感が薄い。それどころか、シナリオの過程でフレンドの世界が一つ滅んだりする(もちろん実際のフレンドの世界は滅ばないが)。メタ要素としてはいまいち練り込みが甘いと言わざるを得ない。 さらにラスボス戦が開始すると、3DS内側のカメラが起動し、自分の顔を背景に戦闘を行う事になる。「自分の目の前で戦闘している」感を出したかったようだが……。 本来なら外側のカメラが起動し、「自分の部屋を映し出し、その中で戦闘を行う」と言う予定だったが、プロデューサーの発案により、内側のカメラに変更した。しかし、ゲーム中に自分の顔を見ながら盛り上がれる人は早々いないだろう。実際、スタッフに「ギャグになっちゃいますよ?」と心配されている。何故そこで忠告に従わなかったのか…。 真終章の存在を始めとして、全体的に「プロデューサーが思いつきで改変した部分」が大きな賛否両論となっていると言える。 なお次回作ではシナリオライターの林が抜け、今作のプロデューサーやディレクターらが共同でシナリオを担当している。これによりプロデューサーの意向がより多く反映されるようになったことが不評につながったとも言える。 「『FF』ではない」と繰り返し宣伝していた割に、内容はFFそのものである。 スタッフが攻略本で「『FF』のジョブシステムが5からさらに進化していたらどうなっていたか」「加えてFFタクティクスも参考にして、もちろん光の4戦士の流れもくみつつ」といったことを考えていたと語っている。 一部モンスターのデザインは『FF外伝 光の4戦士』の使い回し。また、「冒険家」と「相棒」など『光の4戦士』のキャラが再登場している。 こういった事のため「完全新作」というより光の4戦士の実質的な続編にあたるという意見もある。ちなみに本作の設定資料集には『光の4戦士』のイラストも収録されている。 現在の『FF』シリーズとはコンセプトが異なるため、『FF』ではないと解釈をすることも可能ではあるが。 一応、これを用いた演出が存在する。意味はこれだけといっていい。 クリスタル解放イベントが面倒臭い。 ひたすらボタン連打しなければならず、かつ中盤以降はクリスタル解放が何回も続くため面倒になってくる。 しかし、終章へ進むためにはこの解放イベントで「とあること」をしなければならない。 総評 賛否両論だったり詰めが甘い面も少なくないが、コンセプト通りに「原点回帰・温故知新の王道ファンタジーRPG」を達成した作品。 「昔のJRPGが好きだった」という古いRPGユーザーにも、今のJRPGが好きな新しいRPGユーザーにも等しくお勧め出来る。 余談 発売後、本作終了後の世界観を使ったブラウザゲームがサービスを開始している。 本作は海外でも『Bravely Default』というタイトルのまま発売されているが、英語としては意味不明すぎて混乱する海外プレイヤーが続出した。 一応“勇気を持って、果たすべき約束・責任を放棄する”という趣旨が込められているのだが、意訳(むしろ超訳)すぎて伝わるわけがない。また「Default」は「(意思的・主体的に)しない」というより「怠る」のニュアンスが強い語で、ポジティブな意味ではまず使わない。 本作のプロデューサー浅野智也氏によると「わりと良い評価を頂いたブレイブリーデフォルトですが、クリアまで到達された方は20%もいませんでした。」とのこと。 この数字はスクエニのメンバーズサイトにアップロードされたクリアデータ数の割合=クリア後に3DSからインターネットに接続してデータ更新を行う必要があるため、実数とはズレがある可能性がある。 ちなみに本作は、ラストダンジョンの最終セーブポイント以外でセーブした場合、完全クリア済でもクリア率99%になってしまう。これをクリアと数えているのかどうかは不明。 (次回作での扱いだが)『LORD of VERMILION III』にメインキャラの一人「イデア・リー」がゲスト参戦。今作のシステムをほぼ完璧に再現したアビリティを搭載している。 ブレイブリーデフォルト フォーザ・シークウェル 【ぶれいぶりーでふぉると ふぉーざ・しーくうぇる】 ジャンル RPG 対応機種 ニンテンドー3DS 発売元 スクウェア・エニックス 開発元 シリコンスタジオ 発売日 パッケージ/前作購入者向けDL版 2013年12月5日ダウンロード版(*9) 2014年2月1日 定価 パッケージ版 4,990円前作購入者向けダウンロード版 2,900円ダウンロード版 3,900円 廉価版 無料版アップグレード 2014年7月28日/2,000円アルティメットヒッツ 2014年8月7日/2,700円 判定 良作 ポイント 戦闘テンポの改善、難易度などを調整可能不評だった7章以降のストーリーを一新 「続編のために」 ファイナルファンタジーシリーズ関連作品 概要(FtS) 前作『フライングフェアリー』(以下『FF』と表記)の加筆修正・完全版。 『FF』のシステムを練り直し、同時に新規要素を多数盛り込んでいる。 略称は前作の『BDFF』に対して、『BDFS』或いは『FtS』など。 前作をプレイ済みであれば、スクエニメンバーズ特設サイトを通じてセーブデータの引き継ぎが可能。 引き継ぎ項目は「キャラレベル」から「Dの手帳の内容」に至るまでかなり自由に選択することが可能なので、全てのデータを引き継いで最強状態で新しく遊ぶ、あるいは図鑑などの手間がかかる部分のみ引き継いで遊ぶ、といったように個人の裁量でプレイの幅を設定できる。 また、前作を所持していれば2014年1月31日まで優待価格でDL版を購入できた。 ただし本作のDL版は4GB程度とかなりの容量なので、購入の際は手持ちのSDカードとの兼ね合いも考える必要がある。 「フォーザ・シークウェル」とは直訳すると「続編のために」であり、続編『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』の新システム「ブレイブリーセカンド」を先んじて使用可能。 評価点(FtS) ストーリーの練り直し。 メインシナリオにほぼ変更はないが、7章・8章のアスタリスク所持者に関するサブシナリオが一新されている。 詳細は避けるが、前作ではかなり強かった7・8章の作業感が緩和されている。 ただしこの影響で、前作よりもフラグ管理が煩雑化している。 UIの改善。 特にメニュー画面が改善されており、スキル・ジョブを変えることによる数値の変化が分かり易くなっている。 また戦闘中にスライドパッドを左右に動かすことで敵・味方のステータスを切り替えることが可能になった。 戦闘テンポの改善。 前作では2倍速までだったが、本作では4倍速の実装により更に戦闘がテンポアップ。 ブレイブ・デフォルトをそれぞれL・Rボタンでショートカット入力可能になった。 戦闘中の会話はAボタンでスキップ可能になり、必殺技有効時間中に会話が挟まってロスする時間が減った。 前作で望まれ続けていたリピート入力機能の実装。 これが何故待望の機能なのかと言うと、本作はブレイブシステムにより1ターンに1人につき最大4回行動が可能であり、戦闘に於いては先手で4回行動を行うことが勝利のカギとなる。 つまり毎戦闘4人パーティで16回行動を入力させられるので、率直に言って指が痛い。リピート入力機能はYボタンで「前回と同様の行動を行う」機能で、この問題を解決するものとして歓迎された。 コンフィグで難易度調整が可能に。 戦闘の難易度を通常のNORMALに加え、EASYからHARDまで設定可能となった。 エンカウント率が+100%から-100%まで50%刻みで調整可能となった(2倍出る~全く出ないまでを調整できる)。 戦闘での経験値、お金、ジョブポイント入手の有無という制限プレイ向けの設定まで可能。下記の通り、セーブスロットも増えているので、さまざまな制限プレイにも挑戦しやすくなった。 引き継ぎ無しで開始し、最初から最後までエンカウント0%でクリア(難易度は問わない)したデータをアップロードすると、公式メンバーズサイトにて「殿堂入りプレイヤー」としてリストアップしてくれる。 ジョブのパラメーターや、アビリティのコスト・効果には多数の調整が入った。 「節制」「クレセントムーン」など、一部の強アビリティはコスト増大や弱体化が行われている。 一方で、ソードマスターの反撃系アビリティなど、使い勝手が向上したアビリティもある。 セーブスロットの拡大。 前作で1つだったセーブスロットが3つに拡充された。単純な変更ではあるが、本作にはシナリオ分岐が存在するため、プレイを非常に補助してくれる。また、お気に入りのイベントシーンを鑑賞する際などにも役立つ。 クリア後は、タイトル画面に「NEW GAME+」が追加され、データを引き継いだ状態でニューゲームが可能になる。 レベル・ジョブ・アイテム・所持金・フレンドのデータ等、引き継ぎたい項目は細かくプレイヤーが設定できる。 これにより、何度も周回プレイすることが可能になった。周回を繰り返せば個数限定アイテムを幾つも集めることも可能。 「強敵」という本編のストーリーとは無関係なボス敵が公式に配信された。 配信される敵は一定期間で変更。また、受信した強敵は7体まで保持でき、通信で他のプレイヤーに送り込むことも可能。 「推奨レベルが99」というまさに強敵が多く用意されており、やりごたえは十分。また、強敵を倒すと各種能力値が上昇する「饅頭」を入手できるメリットもある。 これは実質本作のエンドコンテンツなので、強敵であることは問題ない。本作と関係のある「光の4戦士」をリスペクトした演出も好評である。 イベントビューワー追加 一度見たイベントを再生できるイベントビューワーが追加された。ジョブ衣装は再生時のものが反映されるため、一部の衣装がイベントの空気を損ねてしまう問題もある程度改善された。 ボイスは日本語と英語を選択可能になった。日本語のボイスに不満がある人は、英語音声でプレイするのも良いかもしれない。 さらに、ゲーム中のテキストは日本語・英語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・スペイン語に設定可能となっている。 エンディング後に次回作のPVを収録。 「フォーザ・シークウェル(続編のために)」というサブタイトルからも分かるように、本作は「FF」を次回作へと繋げるための布石となっている。 賛否両論点(FtS) 戦闘システムの変更は賛否両論。 大きく追加されたのは、「ブレイブリーセカンド」と呼ばれるシステム。これは戦闘中に「SP」と呼ばれるポイントを消費して、敵味方ターンを問わず追加行動を入力できるシステム。 本作の戦闘ではターン開始時に全ての行動を入力するが、その後の行動順がかなり曖昧な基準で決定されるため、状況に即時対応し難いという問題があった。本システムはその穴を埋め、柔軟な戦闘を可能とするものである。 また、ブレイブリーセカンド中の攻撃は、通常のダメージ上限9999を突破し、最大999999ダメージまで叩き出せるようになる。 問題はこの「SP」が3DS本体をスリープさせた時間に応じて溜まるポイント(*10)だということ。これにより一気に長時間プレイすることがゲーム的に不利なプレイスタイルとなってしまっている。 また、厳密には敵の行動に割り込んで発動することは出来ないので、例えば「相手が魔法を使ったのを見て発動し、味方にリフレク(*11)をかけるなどして対処」といった活用法は出来ず、そのまま相手の行動を許してしまう。 そういう事もあって、使い勝手は万能とは言いきれない。実際使わなくてもクリア出来る難易度なので、若干システムの影が薄くなってしまった。 余談だが、ヘルプのこのシステムの項目では「俺が時を止めた」「俺のターン」といった、『FF』ではほぼ見られなかった露骨なパロディネタが用いられている。 高難度化・やりこみゲー化。 7・8章の練り直しに伴い、特に8章のサブイベントはかなりの高難度に設定された。味方を全員レベル99に育成する事は基本として、その上でスキルと戦略を練る必要があると言えばどの程度か分かるだろうか。 前作がヌルゲーと言われていた反動だろうが、今度は難易度を上げ過ぎているという声もある。 サブイベントはゲームクリアの上で必須ではないこと、クリアデータをロードすると8章冒頭に戻る(未消化のサブイベントに再挑戦できる)ことから、8章のサブイベントはクリア後のやりこみ要素と割り切ってしまうべきかも知れない。 事実、ラスボス戦よりも遥かに高難易度に設定されている。 問題点(FtS) 強敵の配信期間の短さ。なんと最短で1日限定の配信ボスが存在し、その日を逃したプレイヤーは大いに落胆することとなった。 公式配信が終了している強敵と戦いたいなら、その強敵を保持している他のプレイヤーから通信で受け取るしかない。 完全版商法。 本作は前作購入者に様々な優遇措置を設けるなど、ある程度良心的な形態を取ってはいる。しかし本作はそもそも、続編の制作などが予定されていない単発作品として発売されたため、それが評判になるや否や完全版を作成したことについてはやはり批判が強い。 また「続編のために」というサブタイトルは「最早作品を単品として完結させようとしていない」「シリーズ商法の開き直り」とも受け取れる。「完全版」という表記を避けたがっているのは分かるが、完全に逆効果で、購入者心理を逆撫でしている。 総評(FtS) 前作の詰めの甘い部分を練り直した完全版。UIから戦闘バランスに至るまで様々な部分が改善されており、追加要素も多いため、実質前作の上位互換として機能している。 意味が分かりにくく、ファン心理を逆撫でもするサブタイトルにより購入意欲が減退した人も少なくないが、次作へ引っ張るような要素は最後に広告が追加された点のみで、内容的には無印同様、本作単体できちんと完結している。 前作から価格が下がっており(現在は廉価版もある)手に取りやすいため、今からブレイブリーデフォルトの世界に触れたいという方は是非こちらを購入していただきたい。 余談(FtS) 公式サイトの謳い文句で「完全版というには、続編の新システムが搭載され、廉価版というには、細部にわたる品質向上が施され、続編の体験版というには、前作の全てが楽しめる。」と述べられているが、日本語の文章としては非常に不自然な構成となっているため、発売前からネット上で不評を買った。 2014年7月28日、『セカンド』の公式サイトオープンに合わせて、「たっぷり無料で遊べる版」と称して『フォーザ・シークウェル』の無料体験版のダウンロードが開始された。物語の節目でもある4章までをプレイ出来るが、容量軽減のためボイスや一部のムービーは削られている。 2000円のアップグレードキットを購入することでボイスを含め通常通り最後までプレイ可能になる。ただし、ボイスは日本語のみ・ARムービーはオープニングのみなど、ダウンロード版及びアルティメットヒッツ含むパッケージ版との違いはある。 なお、本作より追加されたチュートリアルクエストのテキストでは無料版においても言語設定に関する説明が残ってしまっている。 その後の展開 本作の世界観を継いだ続編『ブレイブリーセカンド エンドレイヤー』は『FtS』発売の約1年半後の2015年4月23日に発売された。 しかし「続編のために」とうたっていながら、好評だったにもかかわらず『FtS』から引き継がれていない要素がある。さらに本作で不評だった内容が修正されずに続投しているケースもある。 2021年には、本作から世界観を一新した続編『ブレイブリーデフォルトII』が発売。 タイトルがややこしいが、『セカンド』は言わば初代からストーリーが繋がった「I-2」、『II』は心機一転の完全新作といった立ち位置である。 また「ブレイブリーシリーズ」ではないものの、本シリーズの流れを汲む作品として2017年に同スタッフによるHD-2D作品『OCTOPATH TRAVELER』が登場している。こちらも後にシリーズ化された。